グリム童話がアニメで見られる『グリム名作劇場』

今回は、グリム童話を映像で見られるアニメ『グリム名作劇場』をご紹介しよう。
文字で読むよりも、よりグリム童話の世界を味わうことができる名作アニメーションだ。
読者のみなさんの中には、昔テレビで見ていたなんていう方もいるのではないだろうか。
映像で見るグリム童話の物語は、文字で読むイメージを鮮明に映し出してくれる鏡だ。
もちろん怖いものは怖いし、動物が出てくる可愛らしい映像も必見である。
このページでは、そんな『グリム名作劇場』と、続編の『新・グリム名作劇場』で見られる41話の物語を紹介していく。
その前に、『グリム名作劇場』とはいったいどんなアニメだったか、ちょっとだけおさらいをしておこう。
目次
- 1 グリム名作劇場とは?
- 2 『グリム名作劇場』で見られるグリム童話のアニメ一覧
- 3 『新・グリム名作劇場』で見られるグリム童話のアニメ一覧
- 3.1 19. 水晶の玉
- 3.2 20. おくさま狐のご婚礼
- 3.3 21. 夏の庭と冬の庭の話
- 3.4 22. キャベツろば
- 3.5 23. ラプンツェル
- 3.6 24. 森のなかのぱあさん
- 3.7 25. どまんじゅう
- 3.8 26. 狼と狐
- 3.9 27. ホレのおばさん
- 3.10 28. 六羽の白鳥
- 3.11 29. 千びき皮
- 3.12 30. 姉と弟
- 3.13 31. 名人四人兄弟
- 3.14 32. ガラス瓶の中の化け物
- 3.15 33. 鉄のストーブ
- 3.16 34. 熊の皮をきた男
- 3.17 35. 兎とはりねずみ
- 3.18 36. 鉄のハンス
- 3.19 37. 勇敢なチビの仕立て屋
- 3.20 38. みそさざいと熊
- 3.21 39. 妖精の名前
- 3.22 40. 池に住む水の魔女
- 3.23 41. 死神の名づけ親
- 4 まとめ
グリム名作劇場とは?
1987年10月21日から1988年3月30日まで、テレビ朝日系列で放送されていたアニメ。
グリム童話の中から選ばれた名作が、アニメ化されたものである。
1988年10月2日から1989年3月26日までは、続編である『新・グリム名作劇場」が放送された。
『グリム名作劇場』は24エピソード、『新・グリム名作劇場』は23エピソードあり、2つ合わせてグリム童話の全41話分を見ることができる。
もちろん200話すべてが見られるわけではないが、有名どころの童話はたいてい楽しめる。
このあと紹介するが、けっこうマイナーな話もラインアップされていておもしろい。
『青髭』や『長靴をはいた猫』など、初版から削除されたものも見どころだ。
本当は怖いグリム童話とはどのようなものだったのか、映像で見たい方は必見である。
それでは、実際にどんな作品が映像として見られるのか、詳しく紹介していこう。
なお、2019年8月現在、U-NEXTの無料トライアルで全話が見られるようになっている。
※本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください。
『グリム名作劇場』で見られるグリム童話のアニメ一覧
1. ブレーメンの音楽隊
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM027『ブレーメンの音楽隊』のあらすじ
言わずと知れた名作。
ろば、犬、猫、おんどりの4匹が、音楽隊に入ろうとブレーメンの町を目指す物語。
途中で泥棒の家を発見し、彼らを追い出してごちそうを食べようとたくらむ……。
2. ヘンゼルとグレーテル
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM015『ヘンゼルとグレーテル』のあらすじ
こちらも有名どころ。
森の中に迷い込んだヘンゼルとグレーテルが、お菓子の家を発見する。
そこにいるおばあさんは人食いの魔女であり、子どもを食べようとたくらむ。
いかにも「魔女」なおばあさんの映像が見られる一作だ。
3. かえると王女
■グリム童話原作のあらすじはこちら⇒
KHM001『かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ』のあらすじ
グリム童話の最初に収録されている。
パッと聞くと思い出せないかもしれないが、実はディズニー作品『プリンセスと魔法のキス』にも使われていて、けっこう有名だ。
かえるになってしまった王子と、王女との恋物語(?)である。
前編・後篇の2部構成。
4. 赤ずきん
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM026『赤ずきん』のあらすじ
もちろんご存知、赤ずきん。
可愛い赤ずきんちゃんが、おばあさんに化けたオオカミとバトル(?)する。
実写映画にもなっているが、ぜひアニメでも原作のイメージを楽しんでいただきたい。
5. 金のがちょう
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM064『黄金のがちょう』のあらすじ
絵本ではよく見かけるおはなし。
ある家族の息子たちが、「一寸法師」と出会う。
腹をすかせた一寸法師に、次男だけが食べ物を与える。
原作のほうでは3人の息子になっているが、アニメは2人の設定だ。
(そしてもちろん、「一寸法師」は日本アニメならではの名前だ)
6. 長靴をはいた猫
こちらは初版から削除されたお話。
名前は聞いたことのある方も多いであろう、有名作品だ。
3人兄弟が父親から遺品をもらうのだが、そのうち三男は猫をもらう。
しかしその猫が、三男からお金を巻き上げてしまい……。
前編・後篇の2部構成。
7. ゆき白とばら紅
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM161『雪白と薔薇紅』のあらすじ
こちらも絵本などでは有名な作品。
おとぎ話らしいストーリー展開を見せてくれるお話だ。
ゆき城とばら紅という名の姉妹のもとに、クマがやってくる。
冬のあいだ、2人はこのクマと一緒に過ごすようになるのだが…。
8. 白雪姫
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒⇒KHM053『白雪姫』のあらすじ
これはもう説明の必要はないだろう。
「鏡よ鏡」の王妃が、白雪姫を狙う話である。
ディズニーアニメが有名だが、より原作に近い白雪姫を楽しみたい方は名作劇場がオススメだ。
有名どころだからか、その1~その4までの4部構成となっている。
アニメの白雪姫をじっくり味わうことができる。
9. 6人のごうけつ
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM071『六人男、世界を股にかける』のあらすじ
これは少しマイナーはお話。
原作は『六人男、世界を股にかける』『六人の男、世界を行く』などとも訳されている。
命がけで戦った兵士は、ほうびをもらえないことに腹を立てて、旅に出る。
そこで、いろいろな技を持った男たちと出会うことになり……。
10. 命の水
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM097『命の水』のあらすじ
こちらもあまり知られていない話かもしれない。
もう長く生きられない王さまが、命の水で難病を治そうとするお話。
そこには、2人の王子による後継ぎ争いもからんでくる……。
11. 青ひげ
初版から削除された「怖い」お話。
このサイトでも注目度の高い、サスペンスな話である。
一見、やさしそうな青ひげの王様が、実はヤバい秘密を抱えていて……。
■青ひげの何が怖いのかはこちら
⇒グリム童話から削除された『青髭』がやばい
12. ヨリンデとヨリンゲル
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM069『ヨリンデとヨリンゲル』のあらすじ
絵本で見かけるお話。
恋人であるヨリンデとヨリンゲルが、魔女によって術をかけられてしまう。
強い魔女のイメージを楽しめる一作だ。
13. 野ばら姫
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM050『いばら姫』のあらすじ
タイトルを見ると一瞬わからないが、「いばら姫」である。
こちらもディズニーの『眠れる森の美女』と比較ができて、おもしろい。
原作を見てみたい方はぜひ。
14. ズルタンじいさん
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM048『ズルタンじいさん』のあらすじ
動物が主人公のお話。
ズルタンじいさんは「犬」である。
ヨボヨボになって、飼い主から役立たずと言われたズルタンは、家を出ていくことにする。
15. つぐみのひげの王さま
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM052『つぐみの髭の王さま』のあらすじ
わがままなお姫さまのお話。
高い理想を抱えて結婚相手を選んでいたら、王様が勝手に相手を決めてしまった話だ。
お姫様がどうなっていくかにご注目。
16. 悪魔と大魔王
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM125『悪魔とそのおばあさん』のあらすじ
原作は『悪魔とそのおばあさん』になっている。
デブ・チビ・ノッポの3人が軍隊から脱出するが、そこに悪魔が現れて、地獄へ連れていかれてしまう。
原作と若干ちがう部分もあるが、なぞを出すところはおもしろい。
17. 踊りぬいてボロボロになる靴
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM133『踊ってすりきれた靴』のあらすじ
3人の美しい姫が登場する。
原作では12人だが、アニメでは3人だ。
3人の娘が、夜中に踊りまくっている話である。
今でいう「クラブの夜遊び」的なやつだろうか……。
18. シンデレラ
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM021『灰かぶり(シンデレラ)』のあらすじ
最後を締めくくるのは、ご存知『シンデレラ』である。
こちらもディズニーとはまた違ったイメージのシンデレラが見られて、おもしろい。
有名どころで、前編・後編の2部構成。
見ごたえバッチリである。
以上が、最初のグリム名作劇場で見られる物語だ。
基本的にはメジャーなものが多く、前編・後編に分けられるなど、長くしっかり作っているものも多い。
続いて、続編の『新・グリム名作劇場』のほうも見てみよう。
『新・グリム名作劇場』で見られるグリム童話のアニメ一覧
19. 水晶の玉
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM197『水晶玉』のあらすじ
新・グリム名作劇場はいきなりマイナーなものから始まる。
こちらは魔女が登場するお話。
ある家の息子たちが、クジラやワシに姿を変えられてしまう。
20. おくさま狐のご婚礼
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM038『奥様きつねの結婚』のあらすじ
9本のしっぽを持ったキツネの話。
キツネを擬人化した、キツネの物語だ。
キツネの結婚とはどういうものか、楽しんでご覧あれ。
21. 夏の庭と冬の庭の話
『青髭』、『長靴をはいた猫』と同様、初版から削除された作品。
KHM088『鳴いて跳ねるひばり』の注釈に入ることで、生き残っている話だ。
バラと怪物のくだりなど、『美女と野獣』とも似ている部分がある。
22. キャベツろば
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM122『キャベツろば』のあらすじ
不思議な老人から、なんでも願いの叶う「マント」を授けられる話。
タイトルからしてシュールだが、マントというアイテムがなかなかにファンタジー要素を盛り上げてくれる。
23. ラプンツェル
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM012『ラプンツェル』のあらすじ
ここへ来て有名どころが復活。
グリム童話でもディズニーでも人気の高いラプンツェル。
より原作に近いラプンツェルが見られる。
24. 森のなかのぱあさん
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM123『森のなかのばあさん』のあらすじ
いきなり盗賊に襲われてしまう話だが、それがメインではない。
生き残った女の子がそのあとで森に入って、ばあさんと出逢う。
そこからの娘とばあさんとのやり取りに注目。
25. どまんじゅう
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM195『土まんじゅう』のあらすじ
土(ど)まんじゅうである。
コミカルなまんじゅうの話かと思いきや、悪魔が登場してくる。
ちなみに土まんじゅうとは、土がかぶせられ丘のように盛り上がっている墓(塚)のことである。
26. 狼と狐
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM073『狼と狐』のあらすじ
『おくさま狐のご婚礼』につづいて、またキツネの話。
キツネと、オオカミが出てくる動物物語だ。
強いと威張っているオオカミが、キツネを子分にして……。
27. ホレのおばさん
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM024『ホレのおばさん』のあらすじ
こちらはそこそこ有名なのではないだろうか。
いつも働かせている女の子が、異世界に行ってホレのおばさんと出逢う話。
けっこうファンタジーである。
28. 六羽の白鳥
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM049『六羽の白鳥』のあらすじ
王さまが魔女の娘と結婚をする話。
魔女の娘の呪いのせいで、息子たちが白鳥に変えられてしまう。
魔女の呪いがお好きな方はご注目!
29. 千びき皮
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM065『千匹皮』のあらすじ
結婚をせまられた姫が、「千びき皮」を身にまとって、城から抜け出す。
逃げた先では、台所の下働きというみじめな生活が待っていた……。
30. 姉と弟
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM011『兄と妹』のあらすじ
グリム童話では「兄と妹」となっていて、関係が逆転している。
どちらにせよ、男の子のほうが呪いのかかった水を飲み、シカに変身してしまう。
31. 名人四人兄弟
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM129『腕利き四人兄弟』のあらすじ
4人の兄弟が修行の旅に出る。
修行に出た4人が、手に職をつけて帰ってくる。
それぞれ盗み、天文のぞき、鉄砲撃ち、裁縫仕立屋の技を身につけているのだが……。
32. ガラス瓶の中の化け物
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM099『ガラス瓶の中の化け物』のあらすじ
グリム童話の中では意外と多くない、「お化け」が出てくる話。
学校を休学してお化けに出逢うという、夏休みアニメのようなファンタジーだ。
瓶の中に入ったお化けが、ある意味かわいらしい。
33. 鉄のストーブ
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM127『鉄のストーブ』のあらすじ
道に迷った王女が、鉄のストーブに話しかけられる。
映像で見ると、なかなかシュールな感じが出ていておもしろい。
こういう「モノ」がしゃべるような童話は、ぜひアニメで見てほしい。
34. 熊の皮をきた男
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM101『熊の皮をきた男』のあらすじ
熊の皮とタイトルにあるが、熊が出てくるわけではなく、悪魔に出会って取引を持ちかけられる話。
戦争で働いていた兵隊が行き場を失うという、『6人のごうけつ』と少しかぶるようにも思える。
35. 兎とはりねずみ
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM187『兎とはりねずみ』のあらすじ
こちらは実際に動物が出てくる話。
野菜畑をめぐってハリネズミとウサギが競争するという、おもしろい設定だ。
36. 鉄のハンス
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM136『鉄のハンス』のあらすじ
牢屋に入っている勇者ハンスを逃がす王子。
その後、ハンスに忠告をもらいながら、自分の人生を歩んでいく。
王子の成長物語である。
ハンスの行方にも注目。
37. 勇敢なチビの仕立て屋
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM020『勇ましいちびの仕立て屋』のあらすじ
一発で7匹のハエを殺したことがきっかけで、自分はすごいと自画自賛する仕立て屋が主人公。
自信のついたチビの仕立て屋は、世界を見ようと旅に出ていく……。
38. みそさざいと熊
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM102『みそさざいと熊』のあらすじ
動物の話がまた登場。
みそさざいと熊の決闘?戦争?を描いたおもしろい話。
ちなみに、みそさざいとは、スズメに似たものすごく可愛らしい鳥である。
39. 妖精の名前
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM055『ルンペルシュティルツヒェン』のあらすじ
原作では『ルンペルシュティルツヒェン』。
グリム童話好きなら知名度が高い、いやらしい妖精(こびと?)の話だ。
実写映画でキャラクターの一人として登場することもある。
アニメでもぜひその姿をチェックしてみてほしい。
40. 池に住む水の魔女
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM181『池にすむ水の妖精』のあらすじ
魔女と言っているが、実際には「水の精」といった感じ。
いわゆるニンフというやつで、雰囲気的には「金のオノ、銀のオノ」の話にも似ているかも。
粉ひきの男が、妖精とある約束をするのだが……。
41. 死神の名づけ親
■グリム童話原作のあらすじはこちら
⇒KHM044『死神の名付け親』のあらすじ
大トリをかざるのは、「死神」の話。
グリム童話の「怖い」雰囲気にふさわしい締めである。
貧しい父親が、自分の命と引き換えに、死神に息子の名づけ親になってもらう。
その息子が成長したあとも、死神は手助けをしていくのだが……。
『新・グリム名作劇場』のほうは、動物の話なども多く、マイナーなものが多くなっている。
グリム童話の文章ではなかなかイメージしづらいものなども見られて、興味深いラインナップだ。
まとめ
グリム童話は、今なお語り継がれている世界でも大人気の童話集。
それをアニメで見られるのが、『グリム名作劇場』だ。
童話を読むなんてめんどくさい!という人は、まずはアニメから試してみてはいかがだろうか。
メジャーどころしかアニメ化されていないかと思いきや、けっこうな数の物語が見られて、マイナーなものもしっかりそろっている。
一覧を見てみると、「あれ、聞いたことないぞ!?」という話もちらほらとあったのではないだろうか。
あなたが思っているよりも、グリム童話の世界は恐ろしく、奥深いものかも!?
■グリム童話をモチーフにした海外ドラマはこちら↓