グリム童話『ホレのおばさん』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『ホレのおばさん』のあらすじ
未亡人のもとに、働き者の娘と怠け者の娘がいた。
働き者の娘は泉のそばで糸をつむいでいたが、糸巻きを泉に落としてしまう。
怒った母に拾いに行かされ、娘は泉に飛び込むと、美しい草原と不思議な世界にたどり着く。
道中でパン焼き窯やリンゴの木に出会い、彼らのお願いを聞き入れて助けながら進むと、「ホレおばさん」という女性の家にたどり着く。
娘は彼女のもとで真面目に働き、雪を降らせる布団ふりの仕事を立派にこなす。
帰る時には、報酬として金の雨を受け、幸せそうに地上へ戻る。
それを聞いた母は怠け者の娘にも同じことをさせるが、怠け者の娘はパンやリンゴのお願いを無視し、ホレおばさんの仕事もさぼってしまって……。
『ホレのおばさん』の教訓・感想など一言コメント
働き者には金の雨、怠け者にはタールの雨……この物語は、「努力は報われ、怠ければその代償を受ける」というシンプルで力強い教訓を伝えています。
『シンデレラ』にも、少し似ているかもしれません。
パンやリンゴのお願いを聞く場面も、他者への思いやりが報酬につながることを示していますね。
働き者の娘の謙虚で優しい姿勢と、怠け者の娘の対照的な行動がくっきりと描かれていて、最後の報いには思わず「やっぱりね」と納得してしまいます(笑)
ちなみに、ドイツのヘッセン地方では、「ホレおばさんが布団をふるうと、地上で雪が降る」と言われているそうです。
さらに南ドイツでは白い雲を見ると、「ホレおばさんが布をさらしている」と言われるそう。
白い雪も、雲も、ホレおばさんが大切にしている心の純粋さを表しているみたいですね。
また、泉の中に入って、異世界に潜り込むというのも見どころ。
美しい草原が広がるなど、ファンタジー要素も盛りだくさんです!
『ホレのおばさん』の基本データ
収録ナンバー
KHM024
原作タイトル(ドイツ語)
Frau Holle
英語タイトル
Mother Holle
日本語の別タイトル
- 「ホレおばさん」
など
収録版
初版から7版までずっとだが、2版から別の話が混ざっている
『ホレのおばさん』の関連コンテンツ
映画・TV
- 本記事はグリム童話集第7版『ホレのおばさん』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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