グリム童話『兄と妹』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『兄と妹』のあらすじ
兄と妹は、まま母から逃れるため森へと入る。
しかし、まま母は魔法を使い、森の泉に呪いをかけた。
その水を飲んだ兄は子ジカの姿に変わってしまう。
2人は森の中で小さな家を見つけ、子ジカとなった兄と妹は静かに暮らし始める。
ある日、王さまが森に狩りに訪れ、子ジカの様子を見て不思議に思い、妹と出会うことになる。
やがて王さまは妹に心を寄せ、2人は城で新しい生活を始めるのだった。
しかし、これを妬んだまま母が恐ろしい企みを仕掛け……。
『兄と妹』の教訓・感想など一言コメント
順番に読み進んでいくと、初めて魔女の姿がお目にかかれるのがこの話。
まま母が魔女であるという定番の展開ですが、悪いことをした者にはちゃんと罰が下る、というグリム童話らしい教訓も含まれていますね。
特に印象的なのは、妹の強さと優しさです。
兄が子ジカになってしまっても見捨てず、共に生きる道を選ぶ姿には、家族を思う純粋な愛情が感じられます。
どんな状況でも希望を失わず、兄を支え続ける妹の姿は、困難に立ち向かう勇気を教えてくれますね。
一方で、水を飲んでしまった兄の姿には「欲に負けると代償を払うことになる」という教訓も含まれているかもしれません。
時には誘惑を我慢することも大切だ、というメッセージが伝わってきます。
結局のところ、物語が伝えるのは「家族の絆」と「希望を捨てずに生き抜くことの大切さ」でしょうか。
つらい状況にあっても、諦めずに努力を続ければ、幸せな結末が待っている。
そんな前向きなメッセージが込められたお話です。
『兄と妹』の基本データ
収録ナンバー
KHM011
原作タイトル(ドイツ語)
Brüderchen und Schwesterchen
英語タイトル
Little Brother and Little Sister
日本語の別タイトル
- 「兄さんと妹」
など
収録版
初版から7版までずっとだが、初版では短縮されている
『兄と妹』の関連コンテンツ
映画・TV
特集
- 本記事はグリム童話集第7版『兄と妹』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
※リンクをクリックすると外部サイト(Amazonなど)に移動します。