グリム童話『ズルタンじいさん』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『ズルタンじいさん』のあらすじ
年老いて働けなくなった犬のズルタンは、主人に捨てられそうになる。
しかし、友人のオオカミの計画で赤ちゃんを救うふりをして命拾いし、再び愛される生活を得る。
しかし、ズルタンは主人への忠誠心からオオカミの頼みを断り、誤解から対立する。
ズルタンとその仲間の猫は、オオカミを見つけ和解を申し出る……。
『ズルタンじいさん』の教訓・感想など一言コメント
老いぼれたイヌと、それを陰から助けるオオカミのお話。
友情がテーマの心温まる物語です。
役立たずになり、人間に捨てられるかもという不安を抱くのは、『ブレーメンの音楽隊』にも似ています。
助け合いと誠実さが描かれる一方で、立場の違いから対立する場面もあり、考えされるところも。
特にズルタンの主人に対する忠誠心や、誤解を解いて和解に至る過程は、友情や信頼の大切さが伝わってきます。
オオカミの計画のおかげで老犬ズルタンは元通りの生活に戻りますが、後半はオオカミとの対決が描かれます。
「昨日の友は今日の敵になるかも」というのが、教訓かもしれません。
『ズルタンじいさん』の基本データ
収録ナンバー
KHM048
原作タイトル(ドイツ語)
Der alte Sultan
英語タイトル
Old Sultan
日本語の別タイトル
- 「老犬ズルタン」
など
収録版
初版から7版までずっと
2版から話が少し付け加えられている
『ズルタンじいさん』の関連コンテンツ
映画・TV
- 本記事はグリム童話集第7版『ズルタンじいさん』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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