グリム童話『灰かぶり(シンデレラ)』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『灰かぶり(シンデレラ)』のあらすじ
母を亡くした金持ちの娘は、まま母と二人のまま姉からひどい扱いを受け、「灰かぶり」と呼ばれて毎日働かされていた。
父からもらったハシバミの小枝を母の墓に植えると、涙で育った木から小鳥が現れ、娘の願いを叶えてくれるようになる。
王子が花嫁を探す舞踏会が開かれると、まま母は灰かぶりに豆拾いの無理な課題を与え、出かけることを許さない。
しかし小鳥の助けを借りて課題をクリアし、さらに美しいドレスと靴を与えられた娘は舞踏会へ行き、王子を魅了する。
三日間、豪華な衣装で舞踏会に現れた娘は、最後に逃げる途中で金の靴を片方落としてしまう。
王子は靴の持ち主を探し、まま母はまま姉たちに無理やり靴を履かせようとするが、鳩が真実を告げる。
そして娘が靴を履くとぴったりと合い、王子は彼女が本当の花嫁だと確信。
二人は結婚し、まま姉たちは……。
『灰かぶり(シンデレラ)』の教訓・感想など一言コメント
大人気のシンデレラ。
原作タイトルをそのまま日本語にすると「灰かぶり」となります。
『シンデレラ』の原作は、想像以上にハードな展開!(笑)
王子を魅了する華やかなシーンの裏で、まま母や姉たちの末路はかなりダークです。
でも、ただの「いじめられっ子」ではない灰かぶりの娘の強さや賢さが光る物語でもありますね。
どんな状況でも諦めず、ひたむきに願い続けた結果、人生大逆転をつかむ。
まさに「シンデレラストーリー」の原点です!
ディズニー版とはガラっとイメージが違い、グリム童話のシンデレラには魔法使いもガラスの靴も出てきません。
まま母にいじめられているかわいそうな女の子に見えますが、実はけっこうたくましいです。
ダンスパーティへ行くことを強く願い出ていたり、無理難題をあきらめなかったり、追いかけてくる王子を振り切って逃げたりしています。
実は頭も切れるし、運動神経もいいのです。
小鳥や自然の力を味方につける姿も、なんだか神秘的。
しかも、家でひたすら働かされていた分、家事も大得意のはず。
原作の『シンデレラ』では、ぜひそういった「できるシンデレラ」にも注目するとおもしろいかもしれません。
教訓としては、「悪事を働けば必ず罰が下る」ことと、「努力と信念は報われる」ということですね。
魔法使いもガラスの靴もない、たくましい「原作シンデレラ」に注目です!
『灰かぶり(シンデレラ)』の基本データ
収録ナンバー
KHM021
原作タイトル(ドイツ語)
Aschenputtel
英語タイトル
Cinderella
日本語の別タイトル
- 「シンデレラ」
- 「サンドリヨン」
など
収録版
初版から7版までずっと収録されているが、2版から他の話と混ざっている
『灰かぶり(シンデレラ)』の関連コンテンツ
本当は怖いグリム童話
グリム童話じゃない物語
書籍
映画・TV
- 本記事はグリム童話集第7版『灰かぶり(シンデレラ)』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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