『トイ・ストーリー4』で大活躍のボー・ピープは、元ネタが2つ?

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『トイ・ストーリー4』で大活躍のボー・ピープは、元ネタが2つ?

今回は、ディズニー映画『トイ・ストーリー』に登場するおなじみのキャラ、「ボー・ピープ」の元ネタについて見ていこうと思います。

ボー・ピープといえば、貴婦人のような姿の陶器製の人形。

『トイ・ストーリー』の第1作目から、ウッディといい雰囲気になっていた羊飼いの女性ですね。

『トイ・ストーリー4』では、それはそれはめざましい大活躍を見せてくれました。

実はこのボー・ピープ、元ネタは『マザー・グース』という、アメリカやイギリスで親しまれている伝承童謡集に登場する羊飼いの女の子です。

ですが、ボー・ピープがいるのは『マザー・グース』だけではありません。

なんと、かの有名な「アンデルセン童話」の中にも、ボー・ピープを思わせる陶器の羊飼いが登場する物語があるのです!

ということでこの記事では、ボー・ピープらしき羊飼いが登場する2つの物語を詳しく見てみようと思います。

ここから先は、各作品の一部ネタバレになる可能性があるのでご注意ください。

目次

ボー・ピープってどんなおもちゃ?

そもそも、『トイ・ストーリー』に登場するボー・ピープとは何者なのか?

おもちゃたちが動き出す『トイ・ストーリー』の世界ですが、厳密に言うとボー・ピープはおもちゃではなく陶器の人形です。

映画シリーズでは、「1」「2」「4」「5」に登場します。

『トイ・ストーリー3』ではいったん登場しなくなりましたが、『トイ・ストーリー4』で再登場し、さらに2026年公開の『トイ・ストーリー5』にも登場しています。

ちなみに「ボー・ピープ(Bo Peep)」という言葉は、英語圏で赤ちゃんをあやす「いないいないばあ」を意味します。

英語で「play bo-peep」と言えば、「いないいないばあをする」というフレーズとして使えますよ!

Weblio英和和英辞典によると、「bo-peep」は、シェイクスピアの戯曲『リア王』(1604年)の一節にも登場するほど、歴史の古い言葉だそうです。

さて、アンティークな気品が漂うボー・ピープ。

元ネタと思われる『マザー・グース』の童謡も、正確にいつ生まれたのかわからないほど古い歴史を持っていますので、ボー・ピープもどこかクラシカルな感じがするのかもしれませんね。

まるで骨とう品のようです。

壊れやすい陶器製ということもあり、初期の作品では激しいアクションシーンに加わることはほとんどありませんでした。

「1」や「2」では、ウッディや仲間たちを静かに見守る優しい女性というイメージで、子ども部屋の電気スタンドの横にちょこんとたたずんでいましたね。

しかし、「4」で再び姿を現してからは、身軽なパンツスタイルへと衣装を変え、華麗なアクションもこなすクールビューティーとして大活躍しました。

マザー・グースのボー・ピープ

そんなボー・ピープ。

元ネタと言われる『マザー・グース』のほうではどうなっているのでしょうか。

『マザー・グース』では、まずボー・ピープは大人ではありません。

可愛らしい子どもです。

子どもの羊飼いが連れていた羊がいなくなってしまい、それを見つけるという内容です。

実際の詩はこんな感じ。

Little Bo-Peep has lost her sheep,
And doesn’t know where to find them;
Leave them alone, and they’ll come home,
And bring their tails behind them.

Little Bo-Peep fell fast asleep,
And dreamt she heard them bleating;
But when she awoke, she found it a joke,
For they were still a-fleeting.

Then up she took her little crook,
Determined for to find them;
She found them indeed, but it made her heart bleed,
For they’d left their tails behind them.

It happened one day, as Bo-Peep did stray
Into a meadow hard by,
There she espied their tails side by side,
All hung on a tree to dry.

She heaved a sigh and wiped her eye,
And over the hillocks went rambling,
And tried what she could, as a shepherdess should,
To tack each again to its lambkin.

引用:「Little Bo-Peep」『Nursery Rhymes: Mother Goose Magic』(外部サイト)
日本語訳

可愛いボー・ピープの羊がいなくなった
どこへ行ったかもわからない
放っておけば、帰ってくるよ
おしりのしっぽを振りながら

可愛いボー・ピープは眠ってしまった
羊の鳴き声が聞こえたみたい
起きたらそれは、夢だとわかったよ
羊は見つかっていないから

彼女は杖をとって、
羊たちを探そうと思った
やっと見つけたけど、悲しくなったよ
羊たちがしっぽを忘れてきちゃったから

ある日、可愛いボー・ピープは
牧草地のすぐ近くに行って
並んだ羊たちのしっぽを見つけたよ
木につるされて、干されていたんだ

彼女はため息ついて、涙をふいて、
小丘を超えてぶらぶら歩いた
そして羊飼いとして、何ができるか考えた
羊たちにまたしっぽをくっつけるためにね

話の内容を簡単に表すと、

  • 羊飼いのボー・ピープの羊がいなくなって、
  • 羊たちのしっぽはなくなっていて、
  • しっぽが木につるされているのを見つけて、
  • ボー・ピープはしっぽをくっつけようとがんばる

と、こんな詩です。

グリム童話に負けず劣らず恐ろしい『マザー・グース』ですが、この詩はけっこう可愛らしい感じですね。

ただ、よくよく想像してみてほしいです。

羊を見つけたら、みんなしっぽが切れている……。

そして、そのしっぽが木に並んで干されている……。

やっぱり、じわじわとエグい話です。

なぜしっぽがないかまではわかりませんが、もしかしたら切り取られてしまったのかもしれません。

まるで『くまのプーさん』に出てくるイーヨーみたいです。

ちなみにイギリスでは、ボー・ピープという名前の羊飼いが本当に存在したという伝説もあるらしいです。

意外と奥が深いボー・ピープちゃんです。

ボー・ピープの羊たち

あまり目立たないかもしれませんが、映画『トイ・ストーリー』のボー・ピープもしっかりと羊を連れています。

そして、あの羊たちにもちゃんと名前がついています。

それぞれ、

  • ビリー(Billy)
  • ゴート(Goat)
  • グラフ(Gruff)

という名前です。

お気づきの方もいるかもしれませんが、これは有名な北欧民話『三びきのやぎのがらがらどん(Three Billy Goats Gruff)』のもじりになっています!羊なのにヤギの童話から名前が取られているという、ピクサーらしい遊び心のあるネーミングですね。

普段は3匹がひとつの陶器パーツとしてくっついており、ボー・ピープとセットのランプ飾りになっています。

『トイ・ストーリー4』では、ウッディのピンチを救うなど活躍を見せ、性別もみんな「メス」であることが明かされました。

もちろん、しっぽはついていますよ。

アンデルセン童話のボー・ピープ

さて、ボー・ピープそっくりの羊飼いは「アンデルセン童話」にも登場します。

ハンス・クリスチャン・アンデルセンが1845年に発表した『羊飼いの娘とエントツ掃除人』という童話です。

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この童話は、子ども部屋の棚に立っている、陶器の人形が主人公。

金色の帽子をかぶり、金の靴をはき、バラの花模様のスカートをはき、杖をもった羊飼いの娘です。

初期のボー・ピープそのものと言ってもいいほどの共通点がありますね。

実際、似たような人形は多く出回っているのでしょう。

さて、この人形が何をするかというと、もう一人の主人公である煙突掃除屋の人形と結婚します。

そこまでの苦労を描いた、なんとも可愛らしい物語なんです。

では、あらすじを見てみましょう。

ボー・ピープに似た『羊飼いの娘とエントツ掃除人』のあらすじ

子ども部屋の棚の上に、羊飼いの娘の人形が立っていた。

その隣には煙突掃除屋の人形が置いてあり、羊飼いの娘は彼のことが好きだった。

煙突掃除屋の人形も羊飼いに好意をいだいていて、結婚の約束をしていた。

ところが、古いたんすが羊飼いの娘を嫁に迎えると言い出した。

羊飼いの娘は嫌がったが、自称おじいさんである首振り人形に、嫁に行くよう説得させられる。

首振り人形なので、古いたんすの申し出にも首を縦に振ってしまい、断れなかったのだ。

そこで、羊飼いの娘は煙突掃除屋の人形と一緒に逃げることにする。

2人は部屋にある引き出しや香料つぼの中に逃げようとするが、最終的に煙突のてっぺんまでのぼることにした。

暖炉の中から暗闇を抜けて、2人はなんとかてっぺんまでたどり着く。

外の広い世界を見てワクワクするが、羊飼いの娘がやっぱり部屋に帰りたいといって泣き出す。

また暖炉の中をくぐって部屋に帰ると、首振り人形のおじいさんが床に倒れて壊れていた。

2人がおじいさんの壊れた首を治すが、もう首を縦に振れなくなってしまった。

そのせいで、古いたんすが娘を欲しいといってきても、「はい」とうなずくことができなかった。

こうして、羊飼いの娘と煙突掃除屋の人形は、めでたく結婚することができた。

結婚するボー・ピープ

『マザー・グース』とはちがって、「アンデルセン童話」のボー・ピープは大人の女性です。

結婚するために奮闘する姿が描かれます。

子どものボー・ピープちゃんも可愛い話ですが、「アンデルセン童話」のほうも、なかなかに可愛らしい話です。

自称羊飼い人形のおじいさんの首振り人形が、首を縦にしか振れないせいで結婚の申し出を断れない設定が、なかなかギャグでおもしろいですね。

そもそも、勝手におじいさんを名乗って、結婚の許可を出すなよって話ですが……。

ともあれ、なぜかおじいさんは床に倒れて壊れてしまい、首を振れなくなってしまいます。

そのおかげでたんすの結婚の申し出を断って、煙突掃除屋とめでたく結婚できる、謎のシンデレラストーリーなのです。

古いたんすの圧力は、どことなく『トイ・ストーリー3』のロッツォに似ているかもしれません。

年季が入っていると、若い2人にとっては恐ろしいものなのでしょうか……。

おじいさんのプレッシャーでむりやりな結婚をさせられなくてよかったです。

しかし、この部屋の中での、人間じゃないものがやり取りをする感じは、実に『トイ・ストーリー』っぽいです。

羊飼い人形がたんすに結婚を申し込まれるとかいう謎の設定ですが、本人たちにとっては大真面目な世界なのです。

こうして見てみると、『羊飼いの娘とエントツ掃除人』は、単に「羊飼いの人形が出てくる童話」というだけではありません。

人間のいない部屋の中で、人形たちが自分たちの世界を作り、その世界のルールにしたがって恋愛や結婚をしているという点が、まさに『トイ・ストーリー』と重なって見える、意外と複雑な世界観を持っているんですね。

こんな感じで、「アンデルセン童話」では大人(若い娘)のボー・ピープが見られますよ。

羊は出てきませんが、羊飼い人形の愛と感動の(?)物語なのです。

まとめ

今回は『トイ・ストーリー』に出てくるボー・ピープの元ネタらしき話を2つ、ご紹介しました。

『マザー・グース』と、「アンデルセン童話」の『羊飼いの娘とエントツ掃除人』です。

『トイ・ストーリー4』では、性格も雰囲気も変わったボー・ピープですが、元ネタのほうにもいろいろな羊飼い女性が存在します。

そして2026年現在には、『トイ・ストーリー5』にもボー・ピープが登場しています。

昔の「羊飼いの女の子」から、自由に生きる大人の女性へと変化してきたボー・ピープが、最新作でどのような姿を見せているのかにも注目です!

『トイ・ストーリー』が好きな人は、いろいろなボー・ピープを読み比べてみてはいかがでしょうか。

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引用・参考資料

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