水牛の革の長靴(原題:Der Stiefel von Büffelleder)
グリム童話、『水牛の革の長靴』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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あるこわいもの知らずの兵隊はお払い箱になり、古ぼけたレインコートと水牛革の長靴をはいたまま歩きまわって親切な人のほどこしを受けていた。
ある日、兵隊が森の中で迷っていると、身なりがよく狩人の上着を着た男に出あう。
兵隊が狩人に話しかけると狩人も道に迷っていることがわかり、2人で連れだって道を探すことにする。
夜になって兵隊はある家を見つけ、お腹が空いてたまらなかったので戸をたたいて食べものをめぐんでもらおうとする。
中から出てきたのはおばあさんで、その家は盗賊たちのすみかなので見つかったら命はないと忠告する。
しかし、兵隊は外で飢え死にしても中で殺されても同じだというと、おばあさんは2人を暖炉のうしろに隠してやる。
やがて盗賊たちが12人もどってきて、食卓で焼き肉のごちそうを食べはじめると、兵隊は空腹でがまんできなくなりせきばらいをする。
盗賊たちは2人が暖炉にかくれているのを見つけて首つりにするとおどすが、こわいもの知らずの兵隊はその前になにか食べさせてほしいという。
そして遠慮もなしに盗賊たちが食べていた肉をがつがつ食べ、盗賊の狩猟は地下室から上等なワインを持ってこさせる。
兵隊はワインの栓をぬいて「健康を祝して乾杯だ」とさけび、ビンを盗賊たちの頭の上でふりまわしながら「生きろ、その前に口を開けて右手をあげろ」と大声をだす。
すると盗賊たちはみんな金しばりにあい、座ったまま動けなくなってしまう。
狩人は早くその場を立ち去ろうとするが、兵隊はしばらく飲み食いをつづける。
夜が明けると2人は町へ行き、兵隊はそこで昔の戦友たちをみつけ、森に住む盗賊たちをつかまえてやろうと声をかける。
そして戦友たちをしたがえてふたたび盗賊たちの家のまわりを取りかこみ、兵隊がビンをふりまわしながら「みんな生きろ」とさけぶ。
すると盗賊たちは動きだしたが、そのまま投げとばされて手足を縄でしばりあげられ、兵隊はそのままかれらを馬車に投げこんで牢屋に連れていかせる。
狩人はこっそりと軍隊の1人に使いを出しており、兵隊と町に近づくとたくさんの人が歓声をあげて緑の枝をふっていた。
兵隊がびっくりしていると、狩人は実は自分が国の王さまであることを告げる。
兵隊は自分が失礼な態度をとっていたとあやまるが、王さまは兵隊が自分の命を助けてくれたことのお礼をいい、これからは不自由なく暮らせるよう面倒をみてやることを約束した。