グリム童話『熊の皮をきた男』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『熊の皮をきた男』のあらすじ
戦争で働いた兵隊は追い出され、悪魔と契約し「熊の皮」と名乗る。
そして、7年のあいだ、清潔を禁じられる代わりに無限の金貨を得る。
兵隊は怪物のような姿で貧しい人々に親切を尽くし、末娘と婚約する。
7年後、悪魔から解放され美しい姿を取り戻した兵隊は娘と再会するが……。
『熊の皮をきた男』の教訓・感想など一言コメント
悪魔と契約を交わした元兵隊の話。
KHM065『千匹皮』の男バージョンみたいな物語です。
『熊の皮をきた男』の教訓は、外見ではなく中身や行動が大切だということを教えています。
見た目が恐ろしい兵隊も、人々に親切を尽くし、それが幸せにつながりました。
また、困難な状況でも、誠実でいることが試練を乗り越える力になることを読み取れます。
一方で、嫉妬や浅ましさがもたらす悲劇や、悪魔との契約がもたらす不安定さも描かれており、慎重な選択の大事さも感じられる物語です。
最後には結婚してめでたしめでたし……と終わりそうなところ、さすが悪魔のからむ話。
悪魔的なオチが待っていて、怖いグリム童話として終わってくれます。
『熊の皮をきた男』の基本データ
収録ナンバー
KHM101
原作タイトル(ドイツ語)
Der Bärenhäuter
英語タイトル
Bearskin
日本語の別タイトル
- 「熊皮の男」
- 「クマの毛皮を着た男」
など
収録版
初版から7版までだが、5版から話が変わっている
『熊の皮をきた男』の関連コンテンツ
映画・TV
- 本記事はグリム童話集第7版『熊の皮をきた男』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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