KHM101 『熊の皮をきた男』のあらすじ

熊の皮をきた男(原題:Der Bärenhäuter)

 

グリム童話、『熊の皮をきた男』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかしあるところに若い兵隊がおり、戦争で勇ましく働いたが、平和になるとひまを出されてしまう。

唯一の家族である兄さんたちを頼ろうとしたが、薄情な兄さんたちは兵隊を受け入れなかった。

兵隊が広い荒野の木の下でしょんぼり考えごとをしていると、突然ざわざわ音がした。

ふりかえると、目の前に緑の上着を着た見知らぬ男が立っていた。

その男は悪魔だったが兵隊の悩みを知っていて、これから好きなように使える金をやるという。

その前に悪魔は兵隊の度胸を試すといって兵隊の後ろから熊を走らせたが、兵隊は熊の鼻づらに銃を撃ちつけてあっという間に熊を殺した。

 

Sponsored Links

 

悪魔は兵隊の度胸をみとめ、金をやる条件として7年間体を洗わず、ひげや髪をとかず、爪を切らず、そして主のいのりを唱えないように言いつけた。

そしてこれからあたえる上着とマントをいつも身につけなければならず、7年のあいだに死ねば兵隊は悪魔のものとなるが、生きのびれば金持ちになって自由になるのだと話す。

兵隊はほかに頼る場所もないのでそれをやってみることにし、悪魔は自分の着ていた緑の上着をあたえるが、その上着のポケットからはいつでも金貨が出てくるのだった。

そして、兵隊がやっつけた熊の皮で作ったマントもあたえ、兵隊はそのマントをいつでも自分の寝床にし、自分を「熊の皮」と名乗らなければならなかった。

 

 

兵隊はそのまま世の中に出て、1年がすぎると怪物のような姿になった。

みんなは熊の皮を見ると逃げだしたが、熊の皮は貧乏な人々に金をやって自分のためにお祈りをさせ、金ばらいをよくしたので寝泊まりには困らなかった。

4年めになり、熊の皮はある宿屋で裏の部屋をあてがわれ、晩になるととなりから泣き声を聞いた。

戸を開けると、老人がひどく泣いているので、熊の皮は親切に話しかけた。

老人は財産が減って娘たちとみじめな暮らしをしなくてはならず、宿屋の家賃すら払えずに牢屋に入れられるのではと恐れていた。

熊の皮は老人の宿屋の家賃を払ってやり、金貨のつまった財布をもたせた。

老人はなんとか熊の皮に恩返しをしようと、家に連れていき、自分の器量のいい娘のひとりを嫁にしてもいいという。

 

 

1番めの娘と2番めの娘は熊の皮をとてもいやがったが、末の娘は熊の皮が父親に親切にしたのだということを気にかけて、熊の皮と結婚することを受けいれる。

熊の皮は自分がしていた指輪を半分に割ってそれぞれ互いに名前を書き、片方を娘に渡した。

そして自分はあと3年間さまよい歩かなければならず、戻らなかったら自分は死んだということになると話す。

しかし3年のあいだ自分の命が続くようにお祈りをしてもらうよう頼んで熊の皮は出ていった。

いいなずけの娘は黒ずくめの服に身を包み、姉たちからどれだけばかにされてもまどわされずに熊の皮の帰りを待った。

 

 

熊の皮は世の中をめぐってよい行いを続け、貧しい人にたくさんお金をほどこして自分のために祈ってもらった。

7年の最後の日が終わり、熊の皮はあの荒野に戻ると悪魔が腹立たしげにあらわれた。

熊の皮は悪魔に体をきれいにしてもらうよう頼み、悪魔はそれをするしかなかったので、熊の皮は勇ましい兵隊の姿になった。

悪魔が立ちさると、熊の皮はビロードの上着を身につけ、白馬の引く馬車に乗っていいなずけの娘の家へ向かう。

 

 

家族はだれも熊の皮だとわからず、父親は身分の高い将軍がやってきたのだと思い、姉娘たちはその男をすっかり気にいった。

男は父親に、娘をひとり嫁にくれないかとたずねると、姉たちは自分が選ばれたのだと思って晴れ着に着がえるため部屋にかけこんだ。

男はいいなずけの娘とふたりになると指輪の半分をワイングラスに入れて娘に渡す。

娘はそれを飲みほすと指輪の半分を見つけ、すぐにリボンで首にかけていたもう半分と合わせるとぴったり合った。

男は熊の皮の姿からもとの姿に戻れたことを話して、花嫁にキスをする。

ふたりの姉たちは着かざって戻ると男が妹のものになっていたので、腹を立てて外へ飛びだし、ひとりは井戸に身を投げ、もうひとりは首をつって死んでしまう。

その夜、あの緑色の服を着た悪魔が男のもとへやってきて、「おまえの魂ひとつの変わりに、ふたつの魂を手に入れた」といった。

スポンサーリンク