グリム童話、『六人男、世界を股にかける』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
『六人男、世界を股にかける』のあらすじ
むかし、あるところに男がおり、いろいろなわざを心得ていたが、戦争に出て勇ましく働いたのに終わるとくびになり、銅貨3枚しかもらえなかった。
男は怒って王さまから国じゅうの宝物を吐きださせてやることに決める。
森の中に入るとひとりの男が簡単に木を6本ひっこぬいているところに出あった。
兵隊あがりの男は、力持ち男に手下にならなっていっしょに行かないかとさそい、力持ち男は仲間になった。
しばらく行くと、狩人が2マイル先の木の枝にとまっているハエの目を撃ちとばそうとしているところに出あう。
兵隊あがりの親玉はそれを気にいって、その狩人も仲間にした。
しばらく行くと、2マイル先の風車を7つ片方の鼻の息でぐるぐるまわしている男を見つけ、親玉はその男も仲間に入れる。
先に行くと、今度はある男が1本足で立っていてもう1本の足ははずして休ませてあり、2本足で走ると鳥が飛ぶよりも速く走れるという。
この男もまた仲間になり、先へ進むと、片方の耳にぼうしをかぶっている男がいて、頭から帽子をかぶってしまうとあたりがおそろしく寒くなり凍ってしまうという。
この男が加わり、6人の男たちはある町へやってくると、そこでは王さまが、自分の娘と競走をして勝ったものはだれでも娘の花婿にする、負けたものは首をはねられる、というおふれを出していた。
親玉は名乗りをあげ、速く走れる男にもう1本の足をつけさせて走らせることにした。
課題は遠くの泉で水をくみ、先に戻ってきたものが勝ち、というものだった。
走り屋はお姫さまにかなりの差をつけて水をくんだが、帰りの途中で疲れて眠ってしまう。
起きられないといけないので転がっていた馬の頭蓋骨を枕がわりにしていたが、お姫さまがやがて追いつき、走り屋のつぼをからっぽにして走っていった。
それを見ていた狩人は、走り屋の枕の頭蓋骨を撃ったので、走り屋はあわてて目ざめ、泉でもう一度水をくんでからお姫さまを追いこしてゴールした。
王さまは、兵隊あがりの男に娘を取られるのがいやで、この6人の男をごちそうの並んだ鉄で囲まれた部屋に閉じこめ、コックに下から火を燃やさせて苦しめようとした。
しかし、帽子を片耳にかぶった男が頭から帽子をかぶりなおしたので、熱くなっていた部屋も一気に寒くなり、王さまは6人の男が元気なようすを見てこの方法をあきらめる。
そして、親玉ののぞむだけの金貨と引きかえに娘をあきらめることを提案すると、親玉は自分の手下が担いでいけるだけの金貨を要求する。
その14日後に、親玉は大きな袋を力持ちの男に担がせて王さまのところへ行き、そこに入るだけの宝を要求したので、王さまは自分の持つ宝に加えて国じゅうの金貨もあるだけ渡さなければならなかった。
王さまは国じゅうの宝が全部持っていかれたことに腹を立て、騎兵をつかって宝を取りかえそうとする。
しかし、鼻息でなんでも吹きとばす男が騎兵をぜんぶ遠くまで飛ばしてしまい、ひとり手加減してくれとたのんだ曹長に、もっと騎兵を連れてこればぜんぶ吹きとばしてやると脅す。
曹長から知らせをきいた王さまは、6人の男たちがただものでないとわかって、あきらめた。
6人の男たちは宝物を山分けして死ぬまで楽しく暮らした。
『六人男、世界を股にかける』 の教訓・感想など一言コメント
たくさん国に尽くしたにもかかわらず、切り捨てられた男たちの意地が見てとれます。
一人ひとりに才能があって、そのチームワークが垣間見えるのも見どころです。
個性を生かすのも大事なことです。
『六人男、世界を股にかける』 の基本データ
収録ナンバー
KHM071
原作タイトル(ドイツ語)
Sechse kommen durch die ganze Welt
英語タイトル
How Six Men got on in the World
日本語の別タイトル
- 「六人の男、世界を行く」
- 「6人男、天下をのし歩く」
など
収録版
2版から7版まで