グリム童話『めっけ鳥』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
『めっけ鳥』のあらすじ
むかし、1人の森林官が森で狩りをしていると、木の上からさけび声が聞こえた。
森林官は見上げると、そこには小さな子どもが座っている。
その子どもは母親に抱かれて木の下で寝ていたのだが、ある鳥にくちばしでさらわれて、木の上に連れていかれたのだった。
森林官は木にのぼって子どもをかかえ、家に連れて帰って、娘のレンヒェンといっしょに大事に育てることをきめる。
2人の子どもはとても仲良く育ち、木の上で見つかった子は「めっけ鳥」と呼ばれた。
その家には1人の年をとった料理女がいて、ある日、レンヒェンはその料理女が両手に桶をもち何度も井戸から水をくんでいるところを見かける。
レンヒェンがなぜ水をくむのかたずねると、料理女は、翌朝に森林官が出かけたら、鍋いっぱいに湯をわかしてそこでめっけ鳥を煮てやるつもりだ、と話す。
次の朝、森林官が出かけたあと、レンヒェンはめっけ鳥に料理女がたくらんでいることを話し、いっしょに逃げることを提案する。
2人が逃げてしまったあと、料理女は湯をわかして、めっけ鳥をさがしに部屋にくるが、2人の子どもがいなくなっているのに気づく。
そして、下男を3人つかって子どもを探しにいかせた。
子どもたちは森の入り口にいたが、下男たちがやってくるのをみて、レンヒェンはめっけ鳥にバラの木になるよう、そして自分はバラの花になることを伝える。
下男がやってくると、バラの木とバラの花以外は何もみあたらないので、そのまま帰ってそれを料理女に報告する。
すると料理女は、バラの木を折って、花をたおってしまえばよかったといい、下男はもう一度森へ行かされる。
子どもたちはふたたび下男たちがやってくるのをみると、レンヒェンの考えで、めっけ鳥は教会に、レンヒェンは教会のシャンデリアになる。
下男たちは、教会以外に何も見つからなかったので、帰って料理女に報告すると、料理女は、教会をこわして、シャンデリアをもって帰ってくればよかったという。
今度は下男たちとともに料理女もみずから森の中へいき、それを見た子どもたちは、それぞれめっけ鳥は池に、レンヒェンはそこにうかぶカモになる。
料理女は池をみて、その池の水を腹ばいになって全部飲みほそうとするが、カモが料理女の頭をくちばしでつかんで水の中へひきずりこんだので、料理女は溺れて死んでしまった。
子どもたちはいっしょに家へ帰り、心からよろこびあった。
『めっけ鳥』の教訓・感想など一言コメント
なぜか家にいる料理担当の女に子どもが狙われるというサスペンス(?)。
木の上で見つかった子どもだから、「めっけ鳥」(見つけ鳥)です。
そのめっけ鳥(たぶん男の子)と、同じ子どものレンヒェン(女の子)がけっこう仲良しで、いい感じになります。
ちなみに、料理女は魔女のたぐいで、レンヒェンもバラに姿を変えたりシャンデリアになったりと、魔法が使えます。
最後は、料理女が溺れて終了です。
悪者はいなくなり、協力して逃げ切った子どもたちが仲良く家に帰ることができます。
小さい力ながらも、協力することは壁を乗り切る一歩につながるわけですね。
『めっけ鳥』の基本データ
収録ナンバー
KHM051
原作タイトル(ドイツ語)
Fundevogel
英語タイトル
Foundling-Bird
日本語の別タイトル
- 「みつけ鳥」
など
収録版
初版から7版までずっと