『奥様きつねの結婚』のあらすじなど(KHM038)

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グリム童話『奥様きつねの結婚』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。

結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

目次

『奥様きつねの結婚』のあらすじ

第1の話

むかしむかし、9本のしっぽをもった古ギツネがいた。

自分の女房の身もちをうたがってためしてやろうと思い、ベンチの下に横たわり、死んだふりをした。

奥さまギツネは自分の部屋に閉じこもってしまい、女中のおじょうさん猫はかまどの上に座って料理をした。

古ギツネが死んだことがひろまり、結婚をもうしこむ者がたくさんあらわれるようになる。

だれかが扉をトントンたたいたので、女中の猫が扉を開けると、若いキツネが立っていて、何をしているのかとたずねる。

猫は、自分はビール入りスープをつくっているが、お客になってくれるかと答えると、若いキツネはお礼をいって、奥さまギツネは何をしているのかとたずねる。

女中の猫が奥さまは部屋に閉じこもって泣いている、とこたえると、若いキツネは、奥さまと結婚したがっていると伝えてくれ、とたのむ。

猫は奥さまのお部屋に行き、婿になりたい方がいる、と伝えると、奥さまはどんな方なのか、しっぽは9本あるかしら、とたずねた。

猫は、1本しかない、とこたえると、奥さまギツネは、それでは結婚できない、といったので、猫は若いキツネを追い返した。

そして、別のキツネがたずねてきて、そのキツネには2本のしっぽがあったが、同じように結婚をことわられた。

そのあと、やってきたキツネはどんどんしっぽの数がふえていき、しまいには、しっぽが9本あるキツネがやってきた。

それを聞くと、奥さまギツネはよろこび、扉をあけて、年よりキツネのだんなは掃きだしてくれ、と猫につたえる。

ところが、婚礼の式があげられるときに、古ギツネがうごきだし、召使いと奥さまギツネをお払い箱にしてしまった。

第2の話

年よりキツネのだんなが死ぬと、オオカミが未亡人と結婚したいとやってきた。

女中の猫は戸を開けると、オオカミは猫に何かごちそうができるのかたずねた。

猫は、パンをくだいてミルクに入れているが、お客になってくれるかときく。

オオカミはお礼をいって、奥さまは留守なのかとたずねると、猫は、奥さまはお部屋で悲しんでいる、とこたえる。

オオカミは、別のだんなをお望みならばここにいる、と猫に伝えさせた。

猫は奥さまに、オオカミのいったことを伝えると、奥さまは、その方は赤いズボンをはいているか、そしてとがった口をしているのか、ときいた。

猫は、いいえ、とこたえると、奥さまは、それでは役に立たない、といってことわった。

その後、犬、シカ、ウサギ、クマ、ライオン、そしてあらゆる動物がやってきたが、だれもなくなったキツネのだんなの性質をもっていなかったので、追い返された。

最後に若いキツネがやってきた。

奥さまギツネは猫に、その方は赤いズボンをはいているか、そしてとがった口をしているのか、ときいた。

猫は、そのとおりだ、とこたえると、キツネの奥さまは、その方を上へあげるように言いつける。

そして、婚礼の準備をするように言いつけた。

奥さまは猫に、おいぼれギツネは窓から捨ててしまえ、かれはいつもネズミをひとりで食べていて、自分にはひとつもくれなかった、と話す。

そして、若いキツネと婚礼がおこなわれ、みんなうかれておどった。

『奥様きつねの結婚』の教訓・感想など一言コメント

1の話、2の話と、2部構成になっているお話。

主人公はもちろんキツネです。

基本的にはキツネの世界の話ですが、2の話ではオオカミや他の動物もたくさん登場します。

動物好きにはもってこいの物語です。

しかし、ストーリーはけっこうリアルで、婚活をする女性が、希望の男性を見つけ出しているような話です。

しっぽが9本あるキツネは、中国神話に出てくる「九尾の狐」を連想させますね。

『奥様きつねの結婚』の基本データ

収録ナンバー

KHM038

原作タイトル(ドイツ語)

Die Hochzeit der Frau Füchsin

英語タイトル

The Wedding of Mrs. Fox

日本語の別タイトル

  • 「きつねおくさまの婚礼」
  • 「狐奥様のご婚礼」

など

収録版

初版から7版までずっと

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