グリム童話『奥様きつねの結婚』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『奥様きつねの結婚』のあらすじ
第1の話では、9本のしっぽを持つ古ギツネが死んだふりをして奥さまギツネの忠誠心を試す。
奥さまギツネは次々と求婚者を断るが、9本のしっぽを持つ若いキツネが現れると大喜びで婚礼を準備。
しかし古ギツネが動き出し、奥さまギツネを追い払う。
第2の話では、未亡人の奥さまが亡き夫に似た若いキツネを選び婚礼を挙げるが……。
『奥様きつねの結婚』の教訓・感想など一言コメント
1の話、2の話と、2部構成になっているお話。
主人公はもちろんキツネです。
基本的にはキツネの世界の話ですが、2の話ではオオカミや他の動物もたくさん登場します。
動物たちが主人公ですが、人間社会の結婚事情を映しているようでおもしろいですね!
奥さまギツネが次々と求婚者をチェックし、理想の相手を見つける流れがリアルすぎます(笑)
第1の話では、古ギツネが奥さまの忠誠を試そうとするものの、自分が見捨てられるという皮肉な展開が印象的。
第2の話では、奥さまが若いキツネを選んで亡き夫を窓から捨てる場面が大胆で笑ってしまいます。
また、しっぽが9本あるキツネは「九尾の狐」を彷彿とさせ、中国神話との関連も考えられそうですね。
動物が次々と登場するので、動物好きにはたまらない物語!
一方で、人間関係の駆け引きや婚活の厳しさも垣間見える話で、大人でも楽しめますね。
『奥様きつねの結婚』の基本データ
収録ナンバー
KHM038
原作タイトル(ドイツ語)
Die Hochzeit der Frau Füchsin
英語タイトル
The Wedding of Mrs. Fox
日本語の別タイトル
- 「きつねおくさまの婚礼」
- 「狐奥様のご婚礼」
など
収録版
初版から7版までずっと
『奥様きつねの結婚』の関連コンテンツ
映画・TV
- 本記事はグリム童話集第7版『奥様きつねの結婚』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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