『千と千尋の神隠し』をセリフで振り返る!キャラクター別、心に残る名言

『千と千尋の神隠し』をセリフで振り返る!キャラクター別、心に残る名言

2001年に公開されてから、絶大な人気を誇る『千と千尋の神隠し』

興行収入は300億円を超え、世界にも多くのファンがいる、スタジオジブリの名作だ。

宮崎駿監督は、『千と千尋の神隠し』を子ども向けに作ったと語っているが、実際は大人も楽しめる(むしろ大人に人気)の作品に仕上がっている。

いったい、『千と千尋の神隠し』のどんな部分が、大人にも響いてくるのだろうか。

この記事では、『千と千尋の神隠し』のキャラクターごとに心に残るセリフ・名言を紹介しながら、作品のメッセージ性について見ていこうと思う。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「千尋(千)」

「さめろ!さめろ!さめろ!」

不思議な世界に迷い込んだ千尋。

両親を豚にされてしまい、わけのわからない状況で、必死に「これは夢だ」と思いこむ。

いきなり意味不明な世界に入ってしまった千尋が、最初にもがくシーンだ。

 

「ここで働かせてください!」

千尋が勇気を出して言う最初のセリフ。

「この世界では仕事をもたない者は動物にされる」とハクに言われ、仕事を得るために奮闘するシーン。

何があっても「働かせてください」とだけ言うようにと、ハクの教えを充実に守ってひたすら繰り返す。

釜爺と湯婆婆の2人に向かって言うが、湯婆婆に言うときのほうが熱がこもっている。

自分の意志をはっきりと伝える強いセリフだ。

 

「お父さん、お母さん、きっと助けてあげるからあんまり太っちゃダメだよ!食べられちゃうからね!」

千として働き始めた千尋が、ハクに連れられ、豚にされた両親に会いに来たときに言うセリフ。

ジョークまじりな気の利いたセリフに聞こえるが、両親が豚であることをあらためて受け入れた、少し切ないセリフでもある。

両親を助けたいという決意も伝わってくる。

 

「ハクー!しっかりー!こっちよ!」

傷を負って暴れまわっているハク(竜)を、千尋が呼び寄せるシーン。

竜がまだハクだとわかっていないのに、無意識に「ハク」と呼んでしまう。

ハクが竜であると、自然に気づくところである。

 

「私これ、湯婆婆のお姉さんに返してくる。返して、あやまって、ハクを助けてくれるように頼んでみる。お姉さんのいるところを教えて」

ハクが盗んできたハンコを、千尋が返しに行く決意をするシーン。

これまでよりも一段と強い感情のこもった、千尋のしっかりとした気持ちが伝わるセリフだ。

自分のすべきことを自分で考え、いち早く行動に移そうとする姿勢は、大人も見習うべきところがある。

 

「私、ハクを助けたい」

ハンコを返しにいく決意をしたあとに、強い意志を持って言うセリフ。

ハクを想う気持ちが、はっきりと表れるシーンである。

誰かを助けたいと思う気持ちは、人の純粋な心を強く突き動かすものだ。

 

「私が欲しいものは、あなたには絶対出せない」

「千は何が欲しいんだ」とせまってくるカオナシに向けて、はなった一言。

金を大量に出されても、見向きもしない千尋。

欲のない純粋無垢な子どもの心が描かれているのと同時に、ハクを助けるのは自分にしかできないという志も見られる。

愛は金で買えるものじゃないと暗に言っているようにも取れるセリフだ。

 

「ハクのかわりにあやまりに来ました。ごめんなさい」

銭婆のところへハンコを持ってきた千尋が、しっかりと頭を下げて謝る場面。

ぐずぐずしていた小学生が、銭婆に臆することなく、はっきりした物言いで謝罪を伝える。

物語の最初では想像もしなかった、千尋の成長した姿が見られるところだ。

 

「あのハンコについてた変な虫、あたしが踏みつぶしちゃいました」

銭婆に謝った後に、ケロっと言うセリフ。

呪いのかかった虫を踏みつぶしたとわかって、銭婆は爆笑する。

子どもの純粋さは、時として呪いを壊すパワーも発揮するわけである。

 

「あなたの本当の名は、コハク川」

ハクの背中に乗って空を飛んでいるとき、千尋は小さいとき、川に流されたことを思い出す。

そのときの川の名は「コハク川」。

このセリフで、ハクが名前を思い出し、本当の自分を取り戻す。

千尋がハクの名前を思い出させる、感動的な場面である。

 

「おばあちゃん」

物語の最後、湯婆婆に向かって「おばあちゃん」と親しげに呼びかける。

銭婆をおばあちゃんと呼んだあとの流れかもしれないが、湯婆婆のことを怖がらず、なんだかんだで親しみを持っていることがわかる。

 

「お世話になりました」

そして最後に湯婆婆に向けたセリフ。

両親を豚にされ、厳しい扱いを受けながらも、最後にはきちんとお礼を言って去っていく。

働かせてくれたことに対して、しっかりと感謝の気持ちを述べて帰っていくのだ。

嫌だったとか、怖かったとか、ムカついていたとか、そういう負の感情が一切ない気持ちのいいセリフ。

千尋の成長が大いにわかる一言である。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「ハク」

「こわがるな、私はそなたの味方だ」

震える千尋にやさしく声をかけるハク。

味方だと言ってもらえるだけで、一人になった小学生には心強かっただろう。

いや、大人だって、味方だと言ってくれる人がいれば安心できるものだ。

 

「落ち着いて、深く息をすってごらん」

足に力が入らないと焦る千尋に、冷静に声をかけるハク。

焦っているときには深呼吸が一番。

たまったモヤモヤや不安も、息を深く吸うことでいったん落ち着かせることができるのだ。

 

「つらくても、耐えて機会を待つんだ」

これから別の世界で生きるため、不安になる千尋を励ますハク。

辛いときには、耐えて機会をうかがうことも大事。

チャンスは必ずやってくる。

社会の人々みんなを励ましてくれるようなセリフである。

 

「むだ口をきくな。私のことはハク様と呼べ」

一瞬、ドSキャラのようなオレ様キャラのような感じになるハク。

女性なら、キュンキュンしてしまう人も多いのではないだろうか。

 

「でもふしぎだね、千尋のことは覚えていた」

自分の名前は思い出せないが、千尋の名前は覚えていた。

そんなハクの愛情こもった一言だ。

自分のことが思い出せなくても名前を覚えているくらい、千尋のことを気にかけていたのだろう。

 

「つらかったろ。さあ、お食べ」

ハクがくれるおにぎりを泣きながら食べる千尋。

辛いときに出される食べ物ほど、おいしく感動的なものはない。

現代の社会でも、友人や恋人が辛い目にあっていたら、おいしいご飯をごちそうしてあげるのがいいだろう。

 

「まだわかりませんか。大切なものがすり替わったのに」

いなくなった坊に気づかない湯婆婆に言うセリフ。

いつもは弟子としてこき使われているハクが、湯婆婆の一枚上手をいくセリフだ。

 

「坊を連れ戻してきます。そのかわり、千と両親を人間の世界に戻してやってください」

坊を連れて帰ってくることを交換条件に、千尋と両親を解放させるよう頼みこむ。

自分のことよりも、千尋のことを優先させるハクがかっこいい。

 

「私の本当の名は、ニギハヤミコハクヌシだ!」

ハクが空の上で、自分の本当の名前を思い出すシーン。

自分が川の主であること、千尋がそこに流されてしまったことを思い出し、お互いの気持ちが通じ合う。

『千と千尋の神隠し』の名場面だ。

 

「さあ行きな。振り向かないで」

千尋とハクがお別れするシーン。

振り向かないで行けというハク。

このあと、湯婆婆との契約がどうなったかはわからないが、八つ裂きにされてしまったと語るファンも多い。

未来に向かって歩む千尋にあたたかい気持ちがわいてくる一方、ハクのことを考えると、胸がしめつけられる切ないセリフでもある。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「釜爺」

「手は足りとる」

「働かせてください」という千尋に、釜爺が言うセリフ。

人手はそろっているという意味だが、手がたくさんある釜爺なら文字通りとも取れる。

実は意外と深いセリフなのではないだろうか。

 

「手ぇ出すんならしまいまでやれ!」

ススワタリの仕事を一瞬でも手伝ってしまった千尋に、厳しく声をかける釜爺。

中途半端に物事を終わらせるなというメッセージが読み取れる。

結果的ではあるが、人の仕事を奪ってしまった千尋。

そんな千尋に向けての、厳しいながらも、職人の魂がこもったセリフだ。

 

「わしの孫だ」

「人間がいるじゃん!」と焦るリンに向かって、冷静に釜爺が言うセリフ。

さっきまで千尋に怒っていたのに、孫だと言ってすぐにかばってくれる。

不愛想なおじいさんかと思ったら、実はものすごく世話焼きでやさしい人なのだ。

 

「グッドラック」

湯婆婆のもとへ行く千尋に向って、英語で応援をしてくれるイキな釜爺。

このちょっと前に言うセリフ「自分で行って、運を試しな」からもつながってくる。

人生は時として、大きな運試しになることもあるのだ。

 

「エンガチョ、千!エンガチョ!」

呪いの虫を踏みつぶした千尋に、エンガチョという釜爺。

「エンガチョ」とは、日本古来の民族風習のこと。

一種の魔除けの儀式みたいなものだ。

指で輪っかを作り、それを切る動作をすることで、穢れから解放されるのである。

 

「わからんか、愛だ、愛」

事態がのみこめないリンに向かって、釜爺が言うセリフ。

千尋が傷ついたハクを助けようとしているシーンでは、釜爺の一言で「愛」というキーワードが生まれてくる。

千尋のハクに対する想いを代弁してくれているみたいだ。

 

「あの子は千尋というのか」

ハクが「千尋」という名前を出して、釜爺が「千」の本名を知ることになった。

しみじみと「千尋というのか」とつぶやく釜爺。

本当の名前を知れてうれしいような表情が見られる。

千尋のことを気にかけてくれていた証拠だろう。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「リン」

「あんた釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ?」

厳しいリンのセリフだが、小学生にしっかりと礼儀を教えてくれている。

世話になったら礼を言う……当たり前の社会常識だが、大人でも時々忘れそうにならないだろうか。

小さなことでも、お世話になった人へ感謝の気持ちを言葉にして表すのは、大切なことだ。

 

「お前うまくやったなぁ!」

厳しそうに見えたリンが、湯婆婆と無事に契約を交わしてきた千尋をほめたたえるシーン。

リンの人のよさが伝わってくる。

 

「食って寝りゃあ元気になるさ」

元気のない千尋を励ますリン。

ストレスのたまった現代の生活にも、この言葉は深く響きそうだ。

食べることと寝ることは、いつだってパワーをくれるのである。

 

「千!お前のことドンくさいって言ったけど、取り消すぞー!」

銭婆のところへ向かう千尋に向って、叫ぶリン。

千尋の勇気ある行動が、リンの一言によってさらに際立っている。

成長した千尋を認めた、大事なセリフだ。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「湯婆婆」

「イヤだとか、帰りたいとか言ったら、すぐ仔豚にしてやるからね」

働かせる契約をしたあとに、千尋に向って言うセリフ。

恐ろしいセリフのように思えるが、甘えを捨てるようにたしなめているようにも取れる。

千尋の成長をうながす、ある意味、愛のムチのようなセリフだ。

 

「うーん、なんだろうね。なんか来たね」

油屋にまぎれこんだ異変を察知するセリフ。

やばい気配を感じ取る魔女の技量がわかる一言。

 

「ヨクオコヒクダサヒマヒタ」

オクサレ様(河の神)が、異臭をはなちながら油屋にやってきたとき、お出迎えするセリフ。

異臭をがまんしまくっている湯婆婆がなんとも可愛らしい(?)場面だ。

だが経営者として、どんなお客様でも、臭いのを我慢しながらでもしっかり出迎える湯婆婆は、まさに尊敬に値する。

 

「千、よくやったね!大儲けだよ!」

あれほどきつくあたっていた千尋に、抱きつきながら言う湯婆婆のセリフ。

いつもは嫌味ったらしい湯婆婆も、店に利益をもたらした従業員はものすごい勢いでほめたたえる。

油屋を仕切る経営者として、千尋の活躍を素直に喜んでいる、いい人だ。

 

「お客さまとてゆるせぬ」

暴走したカオナシに向かって、湯婆婆みずからが暴走を止めに入るシーン。

タタタッと現れ、かめはめ波のような波動拳のような技をカオナシにぶちかます。

湯婆婆の攻撃魔法が光るクールな場面だ(カオナシにはまったく効果なしで終わってしまうが……)。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「坊」

「血なんか平気だぞ」

血を見せられ、暴れたあとに言う坊のセリフ。

強がる坊はいつだって可愛い。

8歳の神木隆之介が演じているのにも注目。

 

「坊と遊ばないと泣いちゃうぞ」

自分が泣いたらヤバイことになる、ということがわかっていて言うセリフ。

意外と賢く、あざとい部分もある坊だ。

 

「千を泣かしたら、バーバ嫌いになっちゃうからね」

お、子どもなのにちょっと男らしいセリフだ。

銭婆家への短い旅を通して、千尋に対する愛着がわいたのだろう。

一人でも立てるようになり、子どもながらに、坊もしっかり成長しているのだ。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「銭婆」

「お母さんとあたしの区別もつかないのかい」

湯婆婆の部屋に来た銭婆が、坊に言うセリフ。

このセリフのおかげで、湯婆婆は坊の「お母さん」だということがわかる。

「バーバ」と言っているが、おばあさんではなかったらしい。

 

「みんなよく来たね」

千尋たちが銭婆の家までたどり着き、それを温かく迎えてくれる銭婆。

おなじ魔女ではあるが、湯婆婆とは対照的に、田舎のやさしいおばあちゃんといった感じだ。

 

「両親のことも、ボーイフレンドの竜のことも、自分でやるしかない」

人に頼りっぱなしではなく、自分が主体になって行動する大切さが伝わるセリフ。

もっとも、このときの千尋はすでに自分でやるしかないとわかっていただろう。

自ら行動を起こすことが、問題解決の糸口になるのだ。

 

「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」

人の記憶は消えないという、ちょっと哲学的なセリフにもとらえられる。

記憶はずっと潜在意識の中に残っていて、人はそれを思い出せていないだけ。

思い出すことこそ、記憶力があるのと同じことなのだ。

大事な思い出は、たとえ思い出せなかったとしても、一生人の心に残るものである。

 

「千尋、いい名だね。自分の名前を大事にね」

なんとやさしい銭婆の一言。

作品全体のテーマともとれる「名前」についてのセリフだ。

「名前」を持つということは、自分を持つということ。

名前を大事にすることで、自分自身も大事にできるのである。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「千尋のお父さん」

「まかせとけ、この車は四駆だぞ」

颯爽とアウディを走らせながら、山の中をぶっち切るお父さん。

ハードボイルドだ。

『千と千尋の神隠し』の名セリフ 「千尋のお母さん」

「いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから」

誰もいない店で、食べ物を勝手に食べだすお母さん。

お母さんもなかなかに図太い神経の持ち主である。

まとめ

今回は、ジブリの大人気作品『千と千尋の神隠し』における名セリフを細かく追ってみた。

あなたのお気に入りのセリフはあっただろうか?

いつ見ても、心が温まる『千と千尋の神隠し』

次観るときには、ぜひセリフのひとつひとつを、あなたならではの解釈で読み取ってみてほしい。

 

全セリフを絵とともに楽しみたい人は、こちらのコミックがおすすめだ。



無料で試し読みする

 

■勇気の出る物語といえば、こちらも忘れてはいけない↓

本当は怖いグリム童話の本、漫画のおすすめ8選