KHM192 『どろぼうの名人』のあらすじ

どろぼうの名人(原題:Der Meisterdieb)

 

グリム童話、『どろぼうの名人』のあらすじです。

 

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あるとき年寄りの農夫と妻が家の前で休んでいると、そこに豪華な馬車が止まり、ぜいたくな身なりをした紳士があらわれる。

紳士はいなかの料理を食べたいとお願いしたので、農夫の妻は台所へ行き、農夫は紳士をさそって仕事の続きをしに庭へ向かう。

紳士は農夫に息子はいないのかとたずねたので、農夫は自分の息子は悪さばかりするようになってもう家を出ていったきりであると話す。

紳士は今になって息子の顔がわかるかとたずねると、農夫は肩にある豆つぶほどのあざを見ればわかるという。

すると、紳士は上着を脱いで肩にあるあざを見せ、自分が農夫の息子であるということを示す。

農夫は再会をよろこんだが、息子がどろぼう名人として生計をたてていると話すととても心配する。

農夫の妻も息子との再会をよろこび、みんなで食事をしたあとに、どろぼう名人はそこの領主で自分の名づけ親である伯爵のもとにあいさつをしにいくという。

 

 

息子が馬車で伯爵のもとへ向かうと、伯爵はていねいにむかえ入れるが、息子がどろぼう名人であると正体を明かすと表情を変えた。

伯爵は自分が名づけ親であるので大目に見ることにするが、これから出す3つの課題ができなければ首つりの刑にするという。

伯爵は、まず自分の愛馬を馬小屋から盗むこと、そして自分と妻が寝たあとに気づかれないようシーツと妻の結婚指輪を盗むこと、さいごに教会から牧師と教会の番人を盗むこと、を課題とした。

どろぼう名人はまず町へ行って農夫のおばあさんの身なりをそろえ、樽に眠り薬を入れたワインをつめて、伯爵の馬小屋の近くへ行く。

どろぼう名人はそこで寒そうなふりをし、馬小屋の近くで火をかこんでいた兵隊にいっしょに暖まるよう声をかけさせる。

そこでお礼にといってワインを兵隊たちにあたえて眠らせ、伯爵の馬をたくみに盗んで連れだし、次の日に伯爵を感心させる。

 

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次の課題に挑むため、どろぼう名人は夜の闇にまぎれて罪人がしばり首にされている場所から死体を1人盗み、それをかついで伯爵の城へ向かう。

伯爵は部屋じゅうのカギをしめて妻を安心させ、もし窓からどろぼう名人が忍びこんできたらピストルで撃ち殺してやると決めていた。

どろぼう名人は死体を肩にかついで伯爵の寝室の窓まではしごをかけてのぼると、伯爵からは死体のすがただけが見える。

そこで伯爵はピストルで死体を撃つと、どろぼう名人はその死体を地面に落とす。

伯爵はどろぼう名人をやっつけたと思いこんで、死体を埋めるために庭で穴をほりはじめ、どろぼう名人はそのすきをついて寝室へしのびこむ。

どろぼう名人は伯爵の声をまねたので妻も気づかず、無事にシーツと指輪を盗んで次の日に伯爵をびっくりさせる。

 

 

最後の課題のために、どろぼう名人はザリガニとろうそくをたくさんつめて教会へ向かい、墓地でザリガニの背中にロウソクをつけたものをたくさん地面に這わせておく。

そして自分は修道士のような服を着て、教会の祭壇で「世界の終わりが来たので、最後の審判をする」とさけぶ。

そして「天国に入りたいものはこの袋に入れ」とさけんだので、教会の近くに住む牧師と教会の番人はすぐにあらわれ、しばらく修道士の説教を聞いてみずから袋に入った。

どろぼう名人は袋を引きずり、しまいには城にあるハト小屋まで連れていき、ハトがバタバタすると「天使が羽ばたきをしている」といって牧師と番人を完全にだます。

次の日に伯爵はどろぼう名人の腕をみとめて見逃すことにするが、つぎに自分の領地に入ってきたらすぐにしばり首にすると告げる。

どろぼう名人は両親に別れを告げて、ふたたび世間に出ていった。

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