KHM188 『つむとひとぬいばり』のあらすじ

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つむとひとぬいばり(原題:Spindel, Weberschiffchen und Nadel)

 

グリム童話、『つむとひとぬいばり』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

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むかし、糸をつむぎ、はたを織り、ぬい物をして暮らしていたおばあさんが両親を亡くした女の子をひきとり、仕事を教えて信心深く育てた。

女の子が15才になったときにおばあさんは病気になり、その娘のために家と糸をつむぐためのつむ、はたを織る杼とぬい針を残すことを約束する。

おばあさんは息をひきとる前に娘に信心深くいるよう告げて、女の子を祝福する。

おばあさんの死後、娘はおばあさんと約束した通りしっかりはたらいて、おばあさんの残したもので織物、敷物や服を作ると、いつでもとても高い値段で売れた。

 

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ちょうどそのころ花嫁を探していたその国の王子は、「いちばんまずしくていちばん豊かな娘を妻にしよう」と決めていた。

王子は村で、いちばん豊かな娘といちばんまずしい娘のいる場所を村人に教えてもらう。

まず豊かな娘のいるところまで行くが、めかしこんでうやうやしくあいさつをする娘を見て王子はなにもいわずに通りすぎる。

つぎにいちばんまずしい娘がいるといわれた場所に行くと、家の中でせっせと糸をつむいではたを織る娘が窓から見えた。

娘は王子がのぞいているのに気がつくが、目をふせたままでいて、王子がいなくなったあとその後ろすがたを窓から見送る。

そのあと、糸をつむいでいるときに「つむや、出かけておゆき、婿さんうちに連れといで」とおばあさんに教えてもらった歌をうたう。

 

 

するとつむはひとりでに戸口から飛びだして、金色の糸をひきずりながら王子を追いかける。

娘はそのままはたを織ろうと「杼や、きれいに織りな、婿さんわたしに連れといで」とうたうと、杼もあっというまにとびだしてドアの敷居の前から美しい織物を織りはじめた。

杼もなくなった娘は、ぬい物をしようと「針や、とがって細い、婿さんのためにおうちをきれいにしておくれ」とうたうと、針はひとりでにせっせと家を片づけはじめる。

家がととのうと、つむに案内されて家まで連れてこられた王子はそまつな服を着ながらも花のようにかがやく娘を見る。

王子はこの娘こそがいちばんまずしくいちばん豊かな娘だと確信し、娘に結婚をもうしこんで城に連れてかえり、結婚式がとりおこなわれた。

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