KHM185 『墓へはいった哀れな小僧』のあらすじ

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墓へはいった哀れな小僧(原題:Der arme Junge im Grab)

 

グリム童話、『墓へはいった哀れな小僧』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

* * * * * * * *

 

むかしヒツジ飼いの少年は両親をなくし、金もちの農夫とその妻にひきとられる。

しかしその金もちの夫婦はいじわるでけちであり、少年をさんざんはたらかせているのに食べものをわずかしかあたえずたくさんなぐった。

あるとき少年はメンドリとヒヨコの世話をまかせられるが、メンドリがオオタカにさらわれてしまい、だんなはとても怒って少年をなぐりつけた。

なぐられた少年は2,3日足を動かすことができなかった。

つぎにヒヨコたちの番をまかせられた少年はヒヨコを全部同じひもでつなげておくが、オオタカが1匹のひよこをさらったときにつながったヒヨコたち全てがさらわれてしまう。

だんなはさらにひどく少年をなぐりつけて、少年は何日も寝ていなければならなかった。

 

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少年がやっと起きられるようになると今度は使い走りをさせられ、ブドウをいっぱいいれたかごと手紙を裁判官のところへ届ける役目をおわされる。

少年は食べものもろくにあたえられていなかったので、途中でおなかがすいてのどもかわき、ブドウを2房食べてしまう。

裁判官は渡された手紙を読んでブドウの数をかぞえ、2房足りないといいだす。

少年は正直に自分が食べてしまったと告げ、裁判官は農夫に手紙を書いてもう一度同じ数のブドウをもとめる。

ふたたび使い走りにされた少年はまた空腹にたえられずブドウを2房食べてしまう。

前にブドウを食べたのがばれたのは手紙が裁判官に告げ口したせいだと思っていたので、自分がブドウを食べているのを見られないよう手紙を岩の下にかくす。

しかし裁判官はまたブドウの数が足りないことを問いただし、少年のめんどうを見て飲み食いにこまらないようにし、分別をつけてやるようにと農夫あてに手紙をかいた。

 

 

次の日、農夫は自分たちが年の市にでかけているあいだに少年につらい仕事をまかせる。

それは5時間のあいだに馬のえさにするワラを2,3たば切ることであり、もし自分がもどるまでにできていなかったら体が動かなくなるほどなぐりつけてやるとおどす。

少年は力いっぱいはたらき、途中で暑くなったので上着をぬいでワラの上に置くと、必死で仕事をするうちに上着まで切りきざんでしまう。

少年は農夫が自分のことをなぐり殺すのだと思い、それならみずから命を絶ってしまおうと考える。

少年はまえに農夫の妻が毒のつぼをベッドのうえに隠してあるといっていたのを思いだし、それを食べはじめる。

じつはそれはハチミツであり、少年が食べてしまわないように妻がうそをついていただけだった。

少年はつぎに農夫が毒のビンを衣装ダンスにかくしてあるといっていたのを思いだし、それを飲みほす。

それも実はハンガリーのワインであったので、少年の頭はぼうっとしはじめ、「ついに死ぬのだ」と思いはじめる。

少年は教会の墓地へ行きほったばかりの墓穴に横になると、そのまま強いワインの熱と冷たい夜露に命をうばわれてしまう。

農夫は少年が死んだことを知って、自分が裁判所に呼びだされることをおそれ、そのまま気を失う。

妻は夫を助けようとしているあいだに燃えていたかまどの火がフライパンにうつり、数時間後に家がすっかり焼けてしまう。

夫婦はその後、良心のかしゃくにさいなまれて不幸と貧乏に苦しみながら暮らした。

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