KHM179 『泉のそばのがちょう番の女』のあらすじ

泉のそばのがちょう番の女(原題:Die Gänsehirtin am Brunnen)

 

グリム童話、『泉のそばのがちょう番の女』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかし、年をとったおばあさんがガチョウの群れとともに山あいの家に住んでいた。

おばあさんは毎日森でガチョウが食べるためのものをたくさん集め、背負って持ちかえっていた。

人々はそのおばあさんのことを魔女だと思ってさけていた。

 

 

ある朝、感じのいい伯爵の息子である若者が森の中でおばあさんに出あい、おばあさんはたくさんの荷物を運ぶのを手伝ってほしいという。

若者は山の上の家まで1時間の道のりを、とても重い荷物を背負って死にそうな思いをしながら歩く。

途中で若者は何度も限界を感じたが、おばあさんが止まることをゆるさず、しまいにはみずから若者の背中にとびのる。

なんとか家にたどりつくとガチョウの群れがあらわれ、そのあとから年をとったみにくいガチョウ番の女があとからついてくるのがみえた。

おばあさんはその女をわが娘のように話したが、若者はその女をみてとてもじゃないけど恋人にはしたくないと思う。

そのまま若者は木の下のベンチで眠りこんでしまうと、おばあさんが起こしにきて荷物を運んでくれたお礼にエメラルドをくりぬいて作った小箱をあたえる。

若者は体を起こすととても元気になっていて、おばあさんの贈り物にお礼をいって出発する。

若者はある町にたどりつき、そこの王さまのお城に連れられていって、お妃のもとにエメラルドの小箱をさしだす。

お妃は小箱の中を見たとたん気を失ってたおれたが、すぐに目を覚まして若者にある話をしはじめる。

 

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王さまとお妃のあいだには3人の娘がおり、いちばん末の娘はとても美しく、泣くと真珠の涙をこぼした。

あるとき王さまは自分が死んだあと、自分をいちばん愛している娘にいちばんいいものを受けつがせることにする。

王さまがどんなに自分のことを愛しているか娘たちにたずねると、上の娘は「一番甘いお砂糖のように愛している」とこたえ、次の娘は「一番美しい服のように愛している」とこたえる。

末の娘は自分の愛をなにかにたとえることはできないといったあと、「塩のように愛している」とこたえる。

王さまはさいごの答えに腹を立て、上の2人には国を分けあたえて、末の娘には塩のふくろを背負わせて森の中に追放する。

しかし、しばらくして王さまは自分がひどい仕打ちをしたことに気づいて後悔し、森じゅう娘を探させたが見つけることはできなかった。

そして、お妃はエメラルドの小箱の中に娘の目から流れおちたのと同じ真珠が入っているのをみて心が動いたのであった。

若者は小箱をくれたおばあさんのことを話し、王さまとお妃はそのおばあさんをたずねていくことにきめる。

 

 

そのころ、おばあさんといっしょにいたガチョウ番の娘は泉へ行き、自分のからだにつけていた皮をはずして体を洗いはじめる。

皮をぬいだ娘のすがたはとても美しいものであった。

娘はそこで涙を流していると、木の枝から物音が聞こえたのでふたたび皮をかぶっておばあさんの家まで逃げかえる。

娘は起こったことを話そうとすると、おばあさんは「ぜんぶ知っている」という。

おばあさんは家の中をとてもきれいにそうじしていて、娘はこの遅い時間になぜそうじをしているのかとたずねる。

おばあさんは、娘が家に来てからちょうど3年がたつのでそこにいる期限が終わり、これ以上はいっしょにいることができないという。

娘は悲しんだが、おばあさんは娘のための家を見つけてお礼をしようと思っていることだけ話し、娘に3年前に家に来たときと同じかっこうに戻るよういいつける。

 

 

王さまとお妃と若者はいっしょにおばあさんのところへ向かっていたが、とちゅうではぐれてしまう。

若者がひとりで森をさまよっていると、ガチョウ番の娘が来るのがみえたのでそのままようすをうかがう。

すると娘は着ていた皮をぬぎ、その中はとても美しいすがただったので若者は我を忘れて見入ってしまう。

若者はそこで音を立ててしまい、娘はそれにおどろいて逃げていく。

若者は娘を追いかけると、そこで王さまとお妃を見つけ、3人はおばあさんの家までたどりつく。

おばあさんは「あなたたちを待っていた」といって中にまねき入れ、「3年前に娘を追いだすような理不尽なまねをしなければよかった」と話した。

そしておばあさんは元のすがたに戻った娘を呼び、娘と両親は泣きながらよろこびあう。

王さまは娘になにをあげればいいのかとまどっていると、おばあさんは娘がこれまでに泣いて流した真珠と自分のこの家をさしあげるといい、そのまま消えてしまう。

その小さな家はとたんに豪華な宮殿に変わっており、食卓の用意もしっかりととのっていた。

その後、娘と若者は結婚し、飼われていたガチョウたちはみんなおばあさんに引きとられていた女の子で、元の人間のすがたにもどった。

おばあさんは魔女ではなく、なんでも見通す力のあるかしこい女であり、娘が生まれたときから泣くと涙が真珠にかわるようにしてくれたのもこのおばあさんであった。

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