KHM121 『こわいものなしの王子』のあらすじ

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こわいものなしの王子(原題:Der Königssohn, der sich vor nichts fürchtete)

 

グリム童話、『こわいものなしの王子』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

* * * * * * * *

 

王さまの息子は家での暮らしにあきて、世の中へ出て変わったものを見にいこうと家を出る。

王子はこわいものがなく、たまたま大男の家に出くわしたので、そこで一息つくと大男の遊ぶおもちゃのボーリングを見つけ、それで遊びはじめる。

するとそれを大男がみて、普通の人間が自分の大きなおもちゃで遊んでいることにおどろき、いいなずけが欲しがっている命の木からりんごをかわりに取ってくるよう王子にたのむ。

りんごの木の周りの柵は猛獣たちに守られており、りんごの前には輪があってそれに手を通さなければりんごは取れず、いまだにそれをやりとげた者はいないという。

王子はそれをやることを約束し、命の木のある場所まで行くと、そこでは猛獣が寝ていて王子が近づいても目を覚まさなかった。

そしてりんごの前の輪に難なく手を通すと、輪は王子の手にぴったりくっついた。

王子はりんごを取って外へ出ると、1頭のライオンが王子のことを主人だと認め、あとについてきた。

 

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王子からりんごを受けとった大男はいいなずけにそれを渡すが、輪が一緒になかったのでいいなずけは大男が持ってきたものだとは信じなかった。

そこで大男は王子から輪を取り返そうとするが、王子はそれを拒んだので、2人は取っ組み合いになる。

王子は輪の魔法で強くなっており、かなわないと決めた大男は悪だくみをして、王子を水浴びに連れていき、王子が輪を手から外したときに盗もうとするが、忠実なライオンがそれを取り返す。

そこで大男は王子におそいかかって、王子の両目をえぐり取ってしまう。

大男は目の見えなくなった王子を崖のふちまで連れていったが、ライオンが王子を助けたので、ふたたび違う崖に王子を連れていくと、次にライオンは大男をつきとばし、大男は地面に落ちて死んだ。

ライオンは王子を川のふもとまで連れていったが、そこの水は目にかけると見えない目も見えるようになる力があり、王子はふたたび輝く目を取り戻し、旅をつづけた。

 

 

あるとき、魔法のかかった城に行きつくとそこには魔法でまっ黒になった美しい乙女がいた。

乙女にかけられた魔法を解くためには、3晩つづけて城の大広間で悪魔のこらしめに声を出さずに堪えなければならないという。

王子は乙女の魔法を解くことを約束し、大広間で悪魔たちからの攻撃に1晩耐えた。

乙女は命の水をたずさえやってきて、王子の体をそれで洗ったので、王子の痛みはすっかり癒えた。

王子はこのようにもう2晩悪魔からの攻撃に耐え、最後の日は気を失ってしまったが、乙女は命の水で王子を元気にした。

乙女から魔法は消えて元どおり白くなっており、王子が剣を3回振るとたちまち城じゅうの魔法が消えた。

その城の王女である乙女は王子と結婚式を挙げた。

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