賢い人々(原題:Die klugen Leute)
グリム童話、『賢い人々』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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あるとき、農夫は自分が出かけているあいだに家畜商人がきたら牝牛を3頭売ってもいいが、200ターラー以上でないとだめだと女房にいった。
その女房は頭がよくないので農夫はしっかりやるよういいつけ、もししくじったら杖でぶって背中を青くしてやるといって出ていった。
翌朝、家畜商人がやってくると女房はいわれた通りに3頭200ターラーでしか売らないといった。
しかし商人は財布を忘れたといい、牛を1頭だけ残していって自分がお金を払うまでそれを担保にすると女房に話した。
女房はうまくやったと思っていたが、農夫が戻ってくるとその話をきいてかんかんに怒り杖をふりあげた。
しかしそこで思いとどまり、これ以上にまぬけな者が他に見つかったら女房を許すことに決めた。
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農夫はまぬけな者を探しに街道へ出て待っていると、ほし草を運ぶ荷馬車が通りかかり、そのまん中に1人の女が立っているのをみつけた。
農夫はその女はきっとまぬけだと思い、近づいていって、自分は天国から来た者だと話しかけると、女は自分の亭主も天国にいるという。
農夫はその亭主を天国でみたが、亭主はヒツジの番をやらされていて着ている服もぼろぼろだというような話を作りあげた。
女は亭主が困らないように、上等な小麦粉を売ってできたお金を天国まで届けてほしいと農夫にたのむ。
このように農夫は女から財布を受けとったうえにさんざん感謝され、根っからのあほうを見つけたと思った。
女は家に戻って天国から来た人とのできごとを全部息子に話すと、息子はびっくりして天国のようすを聞くため、その男を探しに馬を走らせた。
息子はヤナギの木の下で財布の金を数えようとしていた農夫にであったので、天国から来た男の人のことをたずねる。
農夫は、その人はむこうの山の上へ急いでいったから馬を走らせれば追いつけると教えた。
息子はとても疲れていたので、農夫に馬を貸して男の人を追いかけて戻ってきてもらうようにたのむ。
農夫はそのまま馬に乗ってかけだし、息子のもとには帰らなかったが、息子は農夫がきっと馬を天国の父親に渡してくれたのだと思いこんだ。
農夫は家に戻り、まぬけな者を2人も見つけたので女房をすっかり許すことにきめる。
2頭の牝牛のかわりにりっぱな馬とお金の入った財布を手に入れたのだから、まぬけは大切にしなければならないと思った。