三羽の小鳥(原題:De drei Vügelkens)
グリム童話、『三羽の小鳥』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかしむかし、コイテル山に住むある王さまが狩りに出かけるため猟師たちを連れて歩いていると、そこの山のふもとでは3人の娘が牛の番をしていた。
いちばん上の娘は王さまを指さして「あの人と結婚する」と叫び、2番めの娘は王さまの右の大臣を指さして同じことをし、末の娘は王さまの左の大臣を指さして同じことをした。
王さまはこれを全部聞いていて、次の日に3人の娘を呼びだして何を叫んでいたのかたずねた。
娘たちは何も答えなかったがとても美しかったので、娘たちが叫んだとおりに王さまはいちばん上の娘と、大臣たちはふたりの妹とそれぞれ結婚した。
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妹たちには子どもがいなかったが、お后は身ごもっており、王さまは出かけるときに妹たちを呼んでお后のそばにいさせた。
お后は体にあざやかな赤い星をもった男の子を産むと、妹たちは男の子をうばって川に投げこんでしまう。
そこで1羽の小鳥が歌をうたい、妹たちは怖くなって逃げだした。
妹たちは戻ってきた王さまに、お后は犬を産んだと話したが、王さまは神さまの決めたことならよいという。
川のほとりに住む子どものいない漁師が、流されてきたお后の男の子を拾い、夫婦で育てることに決めた。
1年後にまたお后は男の子を産んだが、前と同じように妹たちはその子を川に投げ捨てた。
すると同じ小鳥が同じ歌をうたい、妹たちは、お后はまた犬を産んだと王さまにいった。
あの漁師はまたしても男の子を拾い、その子も育てることにした。
次にお后は女の子を産んだが、妹たちはその子を川へ投げこみ、やはり同じ小鳥が同じ歌をうたった。
妹たちは王さまに、お后は猫を産んだと話すと、王さまは腹を立ててお后を牢屋に閉じこめた。
子どもたちは大きくなり、いちばん上の息子がほかの子どもたちと魚を取りにいくと、拾いっ子だからという理由で仲間にいれてもらえなかった。
息子はそれが本当であることを漁師に確かめて、本当の父親を探しにいくことに決めて家を出る。
そして歩き回ると大きな川の前にたどり着き、そこではおばあさんが魚を取っていた。
息子はおばあさんと話をすると、おばあさんは息子をおぶって川を渡してくれた。
息子は父親を探し続けたが、なかなか見つけることができなかった。
1年後に2番めの息子が兄を探そうと家を出て、川のほとりで兄に起きたのと同じようなことが起きた。
ひとり家に残された娘は悲しくなり、兄たちを探すために家を出ると、やはりおばあさんが魚とりをする川の前に行きついた。
娘はおばあさんに優しい声をかけたので、おばあさんは娘を渡してやったうえにむちを1本あたえた。
そして、先にいる黒い犬のことは気にせずに進み、行きついたお城の敷居でむちを落として、城の反対側にある泉の木の上の鳥が入っている鳥かごを取るようにいう。
また、泉からコップに水をくんでそれも持ち帰り、帰りに落としたむちを取って黒い犬の顔を打ってから、自分のもとに戻ってくるようにと話す。
娘は先へ進み、おばあさんにいわれた通りにすると帰り道に兄たちを見つけた。
そして黒い犬をむちで打つと、犬は美しい王子に変わった。
みんなでおばあさんのところへ戻り、おばあさんはよろこんで4人を渡し、そこでおばあさんにかかっていた魔法もとけて自由になった。
4人は漁師の家に戻って再会をよろこび、鳥の入った鳥かごは壁にかけた。
あるとき、2番めの息子が狩りに出かけて休憩に笛を吹いていると、狩りにきていた王さまが音色を聞きつけてやってくる。
そして王さまは息子にどこの子なのかたずねると、自分は漁師の子だと息子が答えた。
王さまは漁師には子どもがいないことを知っていたのでおどろいたが、息子は王さまを納得させるために家に連れていった。
漁師は何もかもを王さまに話すと、鳥かごの鳥が、お后の不実な妹たちが子どもたちを川に捨てたのだとうたった。
みんなはそれを聞いてびっくりし、王さまは鳥と漁師と子どもたちを連れてお城に帰り、お后を牢屋から外に出した。
お后は病んでいたが、娘がおばあさんにいわれて泉から取ってきた水を飲ませると元気になった。
不実な妹たちは焼き殺され、娘はあの王子と結婚した。