KHM092 『金の山の王さま』のあらすじ

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金の山の王さま(原題:Der König vom goldenen Berg)

 

グリム童話、『金の山の王さま』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

* * * * * * * *

 

商人には2人の小さな子どもがいたが、全財産の乗った船が沈んだために貧乏になってしまう。

唯一の自分の持ち物であった畑で考えこんでいると、黒い小人があらわれ、家に帰って商人の足に最初にぶつかったものと引きかえに金をやるという。

ぶつかったものを引きわたすのは12年後という期限があり、商人は軽く考えて小人との取引をして家に帰る。

しかし商人が家に戻って最初に足に触れたのは自分の幼い息子だった。

家には金の山があらわれるようになり、商人の暮らしはよくなった。

 

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しかし息子が大きくなり12年の期限がせまってくると商人は不安におそわれ、息子は心配してその訳を全て聞きだす。

息子はこわがらずに父親をなぐさめ、約束の時が来ると黒い小人のもとへ父親と向かった。

3人は話しあった結果、息子が小舟に乗り父親がその舟をけって、あとは川の流れに運命をまかせるということになった。

 

 

小舟はそのまま進んで、ある国の城の近くにたどり着き、若者は城の中に入る。

そこには王さまの娘が魔法でヘビになっており、その若者をみて救い主だという。

夜に黒い小人たちがあらわれ、何をしているのかたずねられても何も答えず、小人たちの暴力にも耐えることを3日続けることで魔法は解けるというのだった。

若者はヘビにいわれた通りにし、3日目の晩には小人たちに首を切り落とされたが、人間に戻った王さまの娘が命の水で生き返らせた。

そして2人は結婚し、若者は「金の山の王さま」と呼ばれ、やがて子どもも生まれた。

 

 

8年が過ぎて、王さまは父親のことを思い家に帰りたい気持ちになった。

お后は王さまが家に行くことを嫌がったが、王さまの気持ちが強かったのでそれを認め、行きたいところへどこへでも行ける指輪をわたした。

しかしお后は、自分のことを呼び寄せるために指輪を使うことだけはしないようにと付けくわえた。

王さまが指輪を使って家に戻ると、息子は亡くなったと信じこんでいた父親はとても信じられずにいたが、小さい頃からあるアザがそのままなのを見て自分の息子だということがわかる。

しかし父親は息子が王さまだということはとても信じられないと話すと、息子は腹を立てて思わず指輪を使って妻と子どもを呼びよせてしまう。

お后は王さまが約束を破ったことに腹を立て、悪だくみをして王さまが外の畑で眠っている間に指輪を取りあげ、王さまを残して城に帰ってしまった。

 

 

王さまは1人になってしまったが自分の足で城まで帰ることにする。

途中で遺産争いをしている3人の大男に出あい、王さまはその分配を助けるように頼まれる。

その遺産は、呪文を唱えれば自分以外の人の頭を切り落とす刀、着ると自分の姿が人から見えなくなるマント、思ったところにはどこでも行ける靴だった。

王さまは3人の大男をうまく出しぬき、その3つのものを手にいれて、靴を使って自分の城に戻る。

 

 

城ではお后がべつの人と結婚式を挙げようとしているところであり、王さまは腹を立てた。

そしてマントを身につけ姿を消してお后のうしろへ行き、お后が食べるためのごちそうを全部取りあげた。

お后は恥ずかしくなり別の部屋に入って泣いていると、王さまはお后の顔を打って怒りの言葉をぶつけた。

そしてマントを脱いで、広間の人たちの前に姿をあらわし、本当の王さまが戻ったということを宣言する。

しかし人々はばかにして笑い、しまいに王さまをつかまえようと押しよせたので、王さまは刀をぬき呪文を唱えてみんなの頭を切り落とした。

 

そしてこの金の山の王さまだけが国の支配者となった。

 

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