KHM090 『若い大男』のあらすじ

若い大男(原題:Der junge Riese)

 

グリム童話、『若い大男』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

お百姓には1人の親指ほどの大きさしかない息子がいた。

あるとき、その親指小僧が父親といっしょに畑に行きたいとせがんだので、父親は小僧をポケットに入れて連れていき、畑のみぞに置いた。

すると、向こうからとてつもない大男が小僧のところへやってきて、指でつまみ上げると何も言わずに持っていってしまう。

父親はおどろきのあまり口もきけず、もう息子はなきものとあきらめてしまった。

 

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大男は親指小僧を連れて帰ると、自分の乳を飲ませて2年育てたので、小僧はずんずん育って大男並みの背丈になり、力も強くなった。

大男が小僧の力を試すために森へ連れていって若い木を1本引きぬかせたが、まだまだ力をつけるといい、さらに2年乳を飲ませた。

小僧は年を経た木も引きぬけるほどの力があったが、さらに大男がもう2年乳を飲ませたので、男の子は簡単にいちばん太い木を引きぬけるようになり、これで修行は終わりだといって、大男は男の子を畑に返してやった。

その若い大男は父親を畑で見つけ、あなたの息子だと名乗ったが、父親は信じなかった。

 

 

しかし男の子はかわりに自分が畑をたがやすといって、父親には帰って母親に食べ物の用意を言いつけるようたのみ、仕事にかかった。

仕事を終えると木を2本ぬいて簡単に家に持ち帰ると、母親も息子だという見分けがつかず、父親が自分たちの息子だと説明しても信じなかった。

しかし、男の子が食べものをお願いすると、母親は食べものをとてもたくさん出し、それを男の子はひとりでたいらげ、もっと食べものがほしいといった。

母親はさらにたくさんの食べものを出すが、男の子はそれでも足りず、ここではお腹いっぱいにならないので、自分のひざで折れないくらいの丈夫な鉄の棒を1本くれたら世の中へ出ていく、と父親にいった。

父親はどんなに太く丈夫な棒をあたえても、息子はひざで簡単に折ってしまい、ついに息子はあきらめて家から出ていった。

 

 

息子は鍛冶屋の職人のふりをして、ある鍛冶屋へいって職人を必要としているかたずね、鍛冶屋は若い大男がよく働きそうだったので受けいれた。

職人は、給金はいらないが、2週間ごとにあなたをふたつ殴らせてほしい、というので、けちな鍛冶屋の親方はお金を節約できると喜んだ。

そしで職人がハンマーで焼けた鉄の棒をたたくと鉄はばらばらになってしまい、親方が怒ったがそこで職人は親方をけっとばして遠くまで飛ばしてしまい、自分はそこにあった一番太い棒をつえにしてさきへ歩いて行った。

 

 

次に大男は農場の管理人をたずね、下男頭は必要かとたずね、自分は給金はいらないが、年ごとにあなたを3つなぐらせてほしい、といったので、けちな管理人はこれに満足して受けいれた。

翌朝、下男たちが森へたき木を取りにいくのに、下男頭はまだ寝ていたので、ひとりが声をかけると、下男頭はどうせ自分の方が先に戻ってくるから、先に行ってくれ、といった。

管理人は下男を使ってもう一度下男頭を起こしにいかせたが、下男頭はそれでも起きようとせず、ようやく2時間後にふとんから出て、荷馬車に馬をつけて森へ向かう。

森の手まえのせまい道に来ると、下男頭は荷馬車と馬を通したあとにそこに障害物を作って馬がもう通れないようにし、自分は大きな木を2本引きぬいて、通れないと困っている下男たちよりも先にせまい道を通りぬけて屋敷に戻った。

 

 

このように下男頭は1年働き、管理人に支払いを受けたいというと、管理人は約束どおりなぐられるのが恐くなり、2週間のばしてほしいとたのむ。

その間に管理人は書記たちにも相談し、なぐられるのを逃れるために下男頭を井戸の下で掃除させることにして、底についたら上から大きな石を頭に投げおとしてやることにした。

しかしそれを実行すると、落とした大きな石も、下男頭にはにわとりがひっかいて落とした砂だとしか思われず、失敗に終わる。

管理人は取り決めた支払いをさらに2週間のばし、書記たちと話しあって、下男頭には化けものが出るため入ったものは必ず死んでしまう水車小屋で小麦をひかせることに決めた。

だが、下男頭は水車小屋の中でひっぱたいてくる化けものに負けずに打ちかかったのでなぐり合いは終わり、下男頭は何事もなく水車小屋から出てきた。

 

 

そして、下男頭は約束通り、もう逃げ場のなくなった管理人をけとばし、管理人は空中でどこまでもとんでいき、だれの目にも見えなくなった。

下男頭は、管理人のおかみさんも同じ目にあわせ、2人とも空中に浮かんだまま、どちらも相手の方には行けなかった。

若い大男は使いなれた鉄の棒をとって先に歩いていった。

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