道楽ハンスル(原題:De Spielhansl)
グリム童話、『道楽ハンスル』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかし、ばくち打ちばかりしているハンスルという男が、ばくちを打ちすぎて、持ちものは自分の家を含めてすってしまう。
家に借金の取りたて人が来る期限の日に、神さまと聖ペテロがたずねてきて泊めてほしいとハンスルにたのんだ。
そして聖ペテロがハンスルに3グロッシェンやり、これでパンを買ってくるように、というが、出かけたハンスルは、自分からすべてを巻きあげたやくざなばくち打ちたちに止められ、3グロッシェンをすってしまう。
神さまと聖ペテロはハンスルを心配して見にくるが、ハンスルはお金を水たまりに落としてしまったようなふりをした。
神さまはすべてお見通しで、聖ペテロがまたハンスルに3グロッシェン渡すと、今度はばくち打ちにつかまらずにパンを持って帰ることができた。
神さまはハンスルに、地下にとびきり上等のワインがある、といい、まったく信じないハンスルが自分の地下室で酒樽の栓をあけると、本当にとても上等なワインが出てきたので、ハンスルはそのワインを2人に出した。
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次の日、神さまがハンスルに3つ願いごとを叶えようといい、心の中で、ハンスルは天国に行きたいというだろう、と思っていた。
しかし、ハンスルが願ったのは、必ず勝つトランプとさいころ、そしてあらゆる種類の果物がなる木であり、その木には、だれかがのぼってしまうとハンスルがよいというまで降りてこられなくなる、という条件もつけた。
神さまはハンスルの願いをかなえ、聖ペテロとともに旅をつづけた。
ハンスルはばくち打ちをつづけ、もう少しで世界を半分手に入れるところまでいったので、聖ペテロは神さまに、このままではよくないのでハンスルのところに死神をやらねば、と忠告をした。
2人はハンスルのもとへ死神を送ったが、ハンスルはばくち打ちの最中で、死神に木にのぼって果物をいくつか取ってくるよういった。
死神は言われたとおり木にのぼるとおりてこられなくなり、ハンスルは死神をそのまま7年木の上にのせておいたので、その間に人間はひとりも死ななかった。
聖ペテロは神さまに、このままでは人間がだれも死なないので自分たちが出かけていくべきだ、と忠告し、2人はハンスルのもとへ出かけた。
神さまがハンスルに死神をおろすよう命じたので、ハンスルは言われたとおりにすると、死神はおりてきてすぐにハンスルを絞め殺した。
ハンスルは天国の門をたたいたが、中のものたちが拒絶したので、煉獄の門へ行くも、まったく同じ目にあう。
そこでハンスルは地獄へ入れてもらい、年よりの魔王と手下の悪魔たち相手にばくちを打った。
ハンスルは負けしらずのトランプで勝ちつづけ、ついに悪魔たちを自分の手下に取り、ホーンフェルトというところに行き、ホップ栽培の支柱をひきぬいて、天国の門へ行ってつつきはじめた。
天国はめりめり音をたて、聖ペテロは神さまに、ハンスルを中に入れないと天国がつきたおれてしまう、と忠告し、ハンスルは中に入れてもらう。
とたんにハンスルはばくちを打ちはじめ、天国はたいへんなさわぎになってしまったので、神さまと聖ペテロはハンスルを上から投げ落とす。
ハンスルの魂はばらばらになって、ほかのやくざなばくち打ちのなかへ入り、その者たちはまだ生きている。