KHM080 『めんどりの死んだ話』のあらすじ

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めんどりの死んだ話(原題:Von dem Tode des Hühnchens)

 

グリム童話、『めんどりの死んだ話』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

* * * * * * * *

 

あるとき、めんどりとおんどりが連れだってくるみ山に行き、片方がくるみを見つけたらふたりで分けあおうと決めていた。

しばらくしてめんどりが大きなくるみの実を見つけるが、めんどりはそしらぬ顔でくるみを分けずにひとりで食べてしまう。

しかし、くるみの実はとても大きくめんどりののどに詰まってしまい、おんどりを呼んで、泉から水をくんできてほしい、と助けを求めた。

 

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おんどりは力いっぱい泉まで走っていって、水をくれ、というと泉は、まずお嫁さんのところに行って赤い絹を取ってくるように、という。

おんどりはお嫁さんのところへ走っていって、赤い絹をください、というとお嫁さんは、その前にやなぎの木にかかっている花の冠を取ってきて、といった。

おんどりはやなぎの木のところまで走り、花の冠をひきずり取ってお嫁さんのところへ持っていったので、お嫁さんはおんどりに赤い絹を渡した。

そしておんどりは赤い絹を泉まで届けたので、泉はおんどりに水を与えるが、おんどりがめんどりのもとへ戻ったときには、めんどりは息ができなくなって死んでしまっていた。

おんどりは嘆いて大きな声で泣き、やがてけものたちが集まってきてめんどりの死をいたんだ。

 

 

ねずみたちは小さな車を作り、めんどりを乗せて墓へ運ぶことにした。

車ができあがると、6匹のねずみが車をひき、おんどりが車をあやつった。

しばらくいくと、キツネが自分も乗せてください、とたのんだので、おんどりは後ろにのるのでもよければ、といってキツネを仲間にし、やがてオオカミ、クマ、シカ、ライオンなど森のけものたちが仲間になって車に乗った。

車は川につきあたり、そこでどうやって渡るべきか悩んでいると、川のほとりにわらがいて、自分が川に横になるのでそこを渡ればいい、といった。

そしてねずみたちがわらの橋に来ると、わらはすべって川の中に落ちたので、ねずみは6匹とも落ちておぼれてしまった。

すると、今度は炭がやってきて、自分の方が大きいのでこれでみんなも渡れる、といい、水とすれすれに横になった。

しかし水にさわってしまったので火が消え、炭は死んでしまう。

それを見て石がかわいそうに思い、手助けをしようと川に横になったので、おんどりは自分で車をひっぱった。

おんどりは車を渡し、向こう岸からほかのけものたちも引きよせようとしたが、けものたちは大ぜいいたので、車は逆もどりしてみんな川に落ちておぼれてしまった。

 

 

おんどりは死んだめんどりとふたりきりになり、墓を掘ってめんどりを埋め、その上に土を盛った。

そしておんどりはその上で長いあいだ悲しみ、とうとう死んでしまう。

こうしてなにもかもみんな死んでしまった。

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