『犬と雀』のあらすじなど (KHM058)

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グリム童話『犬と雀』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。

結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

目次

『犬と雀』のあらすじ

牧羊犬の主人は犬の腹が減ってもえさをやらなかったので、犬はしょんぼりして主人のもとを出ていった。

そこでスズメに出会い、落ち込んでいる理由を聞かれ、お腹が空いているからだと答える。

するとスズメは、犬をお腹いっぱいにしてあげるといい、町へいっしょに行った。

肉屋に来るとスズメは、肉をひと切れつついて落とし、犬に食べさせてやった。

そして、ほかの店に行き、もうひと切れ犬に食べさせてやると、次はパンが食べたくなった。

そこでスズメは犬をパン屋に連れていき、小さなパンを2,3個つついて落としてやった。

そしてスズメは犬が満足するまでそれをしてやり、町の外へいっしょに行った。

街道に出るといい陽気で、犬は少し眠りたいという。

スズメは犬に眠るよう伝え、その間自分は小枝にとまっていた。

犬は道に横になってぐっすり眠りこみ、しばらくすると3頭立ての荷車でワイン樽を2つ積んだ馬方がやってきた。

馬方は寝ている犬をよけようとせず荷車を走らせてきたので、スズメは、そんなことをしたらおまえをひどい目にあわせるぞと忠告する。

しかし、馬方はかまわずムチを鳴らして荷車を犬の上に走らせたので、犬はひき殺されてしまった。

スズメは怒って、仕返しに荷車と馬をとりあげてやる、とどなった。

馬方はまったく気にもせず先へ走っていった。

スズメは馬車の下へ入りこんで、樽の口を長いあいだつついたので、栓が抜けてワインがぜんぶ流れだした。

やがて馬方は、樽が1つからっぽになり、ひどい目にあったことに気づく。

スズメはさらに馬の頭へ飛んでいき、両目をつつきはじめる。

すると馬方はクワをとりだしてスズメをぶちのめそうとするが、スズメが高く飛びのいて、クワは馬の頭を打ち、馬は死んでしまう。

そして、ひどい目にあったとさけぶ馬方にはかまわず、スズメはもう1つの樽もつついてからっぽにしてしまい、2頭目の馬の両目をつついた。

馬方は同じようにクワをふりあげるが、スズメには当たらず馬を打ち殺してしまい、同じように3頭目の馬もだめにしてしまう。

馬方はカンカンに怒り家に帰って、妻にひどい目にあったことを話す。

妻は、その悪い鳥が世界中の鳥を集めてきて、屋根裏の小麦によってきて残らず食べていることを伝える。

馬方が屋根裏を見にあがっていくと、何千羽の鳥が小麦を全部たいらげていた。

そのまん中にはあのスズメがいて、こんどはおまえの命を取ってやる、といって外へ飛びだしていった。

財産をなくした馬方はむしゃくしゃしていると、窓の外から「おまえの命を取ってやる」とさけぶスズメが見えたので、馬方はクワをつかんでスズメに投げた。

しかし、それは窓ガラスをわっただけで、スズメはストーブの上に移っていた。

馬方は怒りくるってスズメをうちのめそうとしたが、そのたびにスズメは飛びまわったので、馬方は家具や壁もすべてこわしたが、それでもスズメには当たらなかった。

ついに馬方はスズメを手でつかまえ、むごたらしい死に方をさせてやろうと、スズメをいっきに飲みこんだ。

すると、スズメは馬方のからだの中であばれだし、男の口まであがってきて、やっぱり「おまえの命を取ってやる」とさけぶ。

馬方はクワを妻に渡して、口の中の鳥を打ち殺せ、といったので妻は打ちかかったが、なんと亭主の頭を打ってしまい、馬方はたおれて死んでしまった。

そして、スズメは飛びあがって、逃げていってしまった。

『犬と雀』の教訓・感想など一言コメント

犬に親切にするスズメが描かれます。

しかし、かわいそうな犬が馬にひかれてしまい、乗っていた人間がスズメにこてんぱんにやられます。

というか、スズメに翻弄されて自滅といったほうがいいかもしれません……。

どちらにせよ、悪さは自分に返ってくるという教訓になりそうです。

『犬と雀』の基本データ

収録ナンバー

KHM058

原作タイトル(ドイツ語)

Der Hund und der Sperling

英語タイトル

The Dog and the Sparrow

日本語の別タイトル

特になし

収録版

初版から7版までずっと

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