グリム童話『コルベスさま』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『コルベスさま』のあらすじ
メンドリとオンドリは旅に出るため、オンドリが赤い車輪とネズミ4匹で作った車に乗り込む。
道中で猫や石臼、卵、カモ、とめ針、ぬい針と出会い、みんな車に乗り込んでいく。
一行は目的地のコルベスさんの家に着くが、留守だったためそれぞれが家の中で落ち着く。
やがて帰ってきたコルベスさんは、隠れていたお客さんに次々と痛い目に遭わされ……。
『コルベスさま』の教訓・感想など一言コメント
赤い車輪の車や仲間たちの登場で楽しい冒険が始まるかと思いきや、コルベスさんの結末があまりに衝撃的ですね。
猫や卵の攻撃はまだしも、石臼が落ちてきてしまう展開は完全にブラック・コメディ。
いや、描き方によってはけっこうなホラーなのではないでしょうか。
KHM010『ならずもの』にもそっくりなお話です。
それにしても、コルベスさんは一体何をしたのでしょう?
ただの災難なのか、それとも何かしらの報いを受けたのか……謎が深まります。
教訓があるとすれば「因果応報」、あるいは「旅仲間を慎重に選ぶべし」でしょうか(笑)
道具たちの個性的な行動が楽しいけれど、同時に悪夢的な描写でホラーのような後味を残す、まさにグリム童話らしい物語ですね!
『コルベスさま』の基本データ
収録ナンバー
KHM041
原作タイトル(ドイツ語)
Herr Korbes
英語タイトル
Herr Korbes
日本語の別タイトル
- 「コルベス殿」
- 「コルベスさん」
など
収録版
初版から7版までずっと
- 本記事はグリム童話集第7版『コルベスさま』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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