グリム童話『コルベスさま』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
『コルベスさま』のあらすじ
メンドリとオンドリがいて、2羽はいっしょに旅に出ようとしていた。
オンドリは4つの赤い車輪のついたすてきな車をつくり、その前に4匹の小ネズミをつないだ。
メンドリとオンドリは車に乗って、いっしょに出かけた。
2匹は道の途中で、猫に出会う。
猫は、メンドリとオンドリにどこへ行くかたずねると、オンドリは、遠くのコルベスさんのお宅まで、とこたえる。
すると猫は、連れていってと頼む。
オンドリは、猫にうしろに乗るように言って、先へ進んだ。
そのあと、石臼、卵、カモ、とめ針、そしてぬい針があらわれて、全部がこの赤い車輪の車に乗りこみ、いっしょに旅をした。
彼らがコルベスさんのお宅へ着くと、コルベスさんは留守だった。
ネズミたちは車を納屋へはこび、メンドリとオンドリは止まり木の上に飛んでいった。
猫は暖炉の中に座り、カモは井戸の水くみ桶の中に入り、卵はタオルの中につつまれた。
とめ針はいすのクッションに刺さり、ぬい針はベッドのまくらのまん中にとびこみ、石臼はドアの上に横になった。
そこにコルベスさんが戻ってきて、暖炉へ行き、火をつけようとすると、猫がコルベスさんの顔に灰をたくさん投げつけた。
コルベスさんが台所にとんでいって、顔を洗おうとすると、カモがコルベスさんの顔に水をかけた。
コルベスさんがタオルでふきとろうとすると、卵がコルベスさんめがけてころがり、そこで割れて、コルベスさんの両目をふさいでしまった。
そして、コルベスさんが休もうといすに座ると、とめ針がチクッと刺した。
コルベスさんはとても怒り、ベッドに寝ころがって頭をまくらにのせると、ぬい針が刺した。
そしてコルベスさんが腹を立てて家の出口の扉のところへくると、石臼が上から落ちてきて、コルベスさんを殺してしまうのだった。
『コルベスさま』の教訓・感想など一言コメント
コルベスさんという人が、ひたすら人間以外のモノに攻撃され、最後はお亡くなりになるというブラック・コメディ。
いや、描き方によってはけっこうなホラーなのではないでしょうか。
頭にまくらを乗せたら針が刺さったとか、なかなかグロテスクですね。
コルベスさんが恨まれるほどの悪者だったのか、それともただの災難なのかは謎です……。
KHM010『ならずもの』にもそっくりなお話です。
『コルベスさま』の基本データ
収録ナンバー
KHM041
原作タイトル(ドイツ語)
Herr Korbes
英語タイトル
Herr Korbes
日本語の別タイトル
- 「コルベス殿」
- 「コルベスさん」
など
収録版
初版から7版までずっと