グリム童話『強盗のおむこさん』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『強盗のおむこさん』のあらすじ
粉屋の娘は金持ちの求婚者と婚約するが、彼に対して不安を抱いていた。
招かれた婚約者の家で、その男が盗賊の一人であることを知る。
そこで老女の助けを得て、盗賊の家を抜け出し、父親にすべてを話す。
婚礼の日、娘は「夢」と称して婚約者の悪事を明かす。
証拠として盗まれた品物を見せると、婚約者は顔を真っ青にして……。
『強盗のおむこさん』の教訓・感想など一言コメント
グリム童話初版収録の『青髭』と『ヘンゼルとグレーテル』を足したような出だしで始まる童話。
強盗たちが若い娘を連れてきては、どんどん手にかけていくけっこう残酷な話です。
婚約者に対する娘の違和感が、物語全体を通じてカギとなりますね。
森の中で危険に直面しつつも、助けてくれた老女の存在と、自分の機転で無事に脱出する姿にはハラハラさせられます。
婚礼の日に婚約者の秘密を暴く場面が印象的。
夢のように語る娘のウィットや、それを信じて対応する周囲の人々の連携が物語を動かします。
こうした知恵と勇気が困難を解決するというのは、昔話らしいテーマですね。
全体的にホラー作品のような緊張感のあるストーリーですが、娘が自分の力で運命を切り開く展開は胸がすく思いです。
不安を感じたら直感を信じることの大切さも、教訓として教えてくれる物語です!
『強盗のおむこさん』の基本データ
収録ナンバー
KHM040
原作タイトル(ドイツ語)
Der Räuberbräutigam
英語タイトル
The Robber Bridegroom
日本語の別タイトル
- 「盗賊のお婿さん」
など
収録版
初版から7版までずっと
2版から別の話が混ざっている
- 本記事はグリム童話集第7版『強盗のおむこさん』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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