グリム童話『手なしむすめ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『手なしむすめ』のあらすじ
粉ひきの男が財産を失い、悪魔に水車裏の持ち物を渡す約束をして富を得る。
だが、それは裏で掃除をしていた娘のことだった。
3年後、悪魔が来るが、清らかな娘には触れられず、父は娘の手を切るよう迫られる。
家を出た娘は王の庭で助けられ、やがて王妃に。
それでも悪魔の策略で追放されてしまうが、7年間のうちに手が伸びてきて……。
『手なしむすめ』の教訓・感想など一言コメント
この物語は最初からインパクトがありますね。
父親が貧しさから悪魔と契約し、結果として娘に大きな犠牲を負わせてしまう展開は驚きです。
それでも娘が強く生き抜き、王妃になった後も苦難を乗り越え、最後には家族で再び幸せを手にするラストは感動的ですね。
見事なハッピーエンドです。
手を切られたり、悪魔とのやり取りはえげつないですが、後半はなかなかにプリセンスストーリーって感じなのではないでしょうか。
7年間も飲まず食わずで妻と息子を探し続けた王の献身ぶりも光っています。
「手を失った娘が自らの力で新しい生活を切り開く」という展開は、昔話では珍しいかもしれませんね。
ディズニー映画にはならないでしょうが、イケてるプリンセスの1人です。
全体的に厳しい運命を克服し、信仰心や家族の愛が報われるストーリーとなっています!
『手なしむすめ』の基本データ
収録ナンバー
KHM031
原作タイトル(ドイツ語)
Das Mädchen ohne Hände
英語タイトル
The Girl Without Hands
日本語の別タイトル
- 「手のない娘」
など
収録版
初版から7版までずっとだが、2版から別の話が混ざっている
『手なしむすめ』の関連コンテンツ
本当は怖いグリム童話
- 本記事はグリム童話集第7版『手なしむすめ』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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