グリム童話『しらみとのみ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『しらみとのみ』のあらすじ
シラミとノミが一緒に暮らし、ビールを作ったところ、シラミがやけどをしてノミが泣き出す。
それがきっかけで、小さなドアがきしみ、ほうきが掃除を始め、荷車が走り出し、こやしが燃え、小さい木が揺れ、女の子が水がめを割り、泉が勢いよく流れ出して……。
『しらみとのみ』の教訓・感想など一言コメント
おなじみ、人間が主人公ではないコメディ。
ドアやほうきも出てきて、相変わらずハチャメチャになっていきます。
シラミのやけどから始まり、ノミ、ドア、ほうき…と、どんどん影響が広がる様子には思わず笑ってしまいます。
物語の展開はシンプルですが、その中に「些細なことが大きな結果を引き起こす」という教訓を見出せます。
現実でも、小さな問題を軽視すると大きなトラブルに発展することがありますよね。
いわゆるバタフライ・エフェクトです。
特におもしろいのは、話の中で次々と物やキャラクターが動き出すところ。
生き物だけでなく、道具まで大騒ぎに巻き込まれるのが童話らしい特徴ですね!
これは、子どもたちの想像力をかき立てそうです。
何ともユーモラスで、少し皮肉な結末が、このお話の独特の魅力を作り出していると言えます。
『しらみとのみ』の基本データ
収録ナンバー
KHM030
原作タイトル(ドイツ語)
Läuschen und Flöhchen
英語タイトル
The Louse and the Flea
日本語の別タイトル
- 「シラミとノミ」
など
収録版
初版から7版までずっと。
- 本記事はグリム童話集第7版『しらみとのみ』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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