グリム童話『しらみとのみ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
『しらみとのみ』のあらすじ
シラミとノミはいっしょに暮らしはじめて、卵のからを入れ物にしてビールをつくった。
すると、シラミはその中に落ちてやけどをしてしまい、ノミは大声で泣きはじめた。
小さい部屋のドアはノミに、なぜ泣いているのとたずねた。
ノミは、シラミがやけどをしたからだとこたえた。
すると、小さな部屋のドアはギイギイときしみはじめた。
すみっこの小さいほうきは小さなドアに、なぜギイギイきしむのかとたずねた。
小さなドアは、シラミがやけどをして、ノミが泣いているからだとこたえた。
すると、ほうきはおそろしい勢いでそうじをしはじめた。
そこへ、小さい荷車が通りかかってほうきに、なぜそうじをするのかとたずねた。
ほうきは、シラミがやけどをして、ノミが泣いて、ドアがきしむからだとこたえた。
すると、荷車はおそろしい勢いで駆けだした。
通りかかったそばのこやしは荷車に、なぜ走っているのかとたずねた。
荷車は、シラミがやけどして、ノミが泣いて、ドアがきしんで、ほうきがそうじをするからだとこたえた。
すると、こやしはまっ赤な火をあげて燃えはじめた。
小さい木はこやしに、なぜ燃えているのかとたずねた。
こやしは、シラミがやけどして、ノミが泣いて、ドアがきしんで、ほうきがそうじをして、荷車が走るからだとこたえた。
すると、小さい木はからだをゆすりはじめた。
水がめをもってやってきた女の子は小さい木に、なぜからだをゆすっているのかとたずねた。
小さい木は女の子に、シラミがやけどして、ノミが泣いて、ドアがきしんで、ほうきがそうじして、荷車が走って、こやしが燃えるからだとこたえた。
すると、女の子は水がめをこなごなに割った。
そして、水のわきでている泉は女の子に、なぜ水がめを割るのかとたずねた。
女の子は泉に、シラミがやけどして、ノミが泣いて、ドアがきしんで、ほうきがそうじして、荷車が走って、こやしが燃えて、小さい木がからだをゆするからだとこたえた。
すると、泉はおそろしい勢いで流れだした。
それで、女の子も、木も、こやしも、荷車も、ほうきも、ドアも、ノミも、シラミも、みんないっしょに水の中でおぼれて死んでしまった。
『しらみとのみ』の教訓・感想など一言コメント
おなじみ、人間が主人公ではないコメディ。
ドアやほうきも出てきて、相変わらずハチャメチャになっていきます。
連鎖していく感じが、「悪循環」をイメージしているようにも見えますね。
最初のきっかけを作ったのはシラミとノミですが、最後には女の子を含めて、全員がおぼれてしまいます。
ちょっとしたミスが命取りなのか、連帯責任なのか、そんな教訓が見られそうです。
『しらみとのみ』の基本データ
収録ナンバー
KHM030
原作タイトル(ドイツ語)
Läuschen und Flöhchen
英語タイトル
The Louse and the Flea
日本語の別タイトル
- 「シラミとノミ」
など
収録版
初版から7版までずっと。