グリム童話『金の毛が3本生えた鬼』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『金の毛が3本生えた鬼』のあらすじ
貧しい家庭に生まれた「福の子」は、王が予言を恐れ命を狙われるが、幸運に助けられ成長する。
王女と結婚した福の子は、試練として地獄から悪魔の金の毛3本を取ってくる旅に出る。
道中で問題を抱えた町や川の渡し守を助け、無事に毛を持ち帰る。
毛を受け取った王は、欲にかられて川へと向かい……。
『金の毛が3本生えた鬼』の教訓・感想など一言コメント
福の子の幸運とウィットが際立つ物語ですね。
王が自らの地位を守るために赤ん坊を川に流すという冒頭の展開は衝撃的(育つ前に消してやろうというどこぞのSFみたい)ですが、福の子の強運によってむしろ運命が好転していくのが痛快です。
道中の泉や木の謎解き、渡し守の苦悩の解決など、福の子の旅にはさまざまなエピソードが盛り込まれています。
それぞれが後に大きな報酬や知恵につながる展開は、「善行は報われる」というメッセージを伝えているようです。
特に印象的なのは、悪魔の金の毛を抜く場面!
おばあさんの助けを借りて行う知恵と大胆さが見どころですね。
悪魔の答えが問題を解決するカギになる点も、よく考えられた設定だと感じます。
最後には、権力を振りかざしていた王が欲をかいて罰を受ける結末がスッキリ。
どんなに地位が高くても、正義と知恵には勝てないという教訓をしっかり伝えています。
福の子の幸運は生まれつきのものだけでなく、彼の善良さや努力が引き寄せたものともいえますね!
『金の毛が3本生えた鬼』の基本データ
収録ナンバー
KHM029
原作タイトル(ドイツ語)
Der Teufel mit den drei goldenen Haaren
英語タイトル
The Devil With the Three Golden Hairs
日本語の別タイトル
- 「金の毛が3本ある悪魔」
- 「黄金の毛が3本ある鬼」
- 「黄金の毛が3ぼんはえてる鬼」
など
収録版
2版から7版までずっと
- 本記事はグリム童話集第7版『金の毛が3本生えた鬼』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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