グリム童話『七羽のからす』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『七羽のからす』のあらすじ
ある男には7人の息子がいたが、念願の女の子が生まれる。
兄たちは洗礼の水を汲みに行く途中で失敗し、戻らない息子たちに怒った父親が「みんなカラスになれ」と口にしてしまう。
その言葉が呪いとなり、兄たちはカラスの姿になってしまった。
成長した妹は兄たちの話を知り、自分の力で救おうと旅に出る。
太陽や月を訪ねるも助けてもらえず、最後に優しい星々から「ガラスの山の門を開くための方法」を教えられる。
しかし、必要な道具を失った妹は、自分の指を使って門を開ける。
その中に入り、兄たちの食卓に小さな指輪を残すと、戻ってきたカラスたちはそれを見て……。
『七羽のからす』の教訓・感想など一言コメント
7人の兄を救うために1人で旅に出た妹の勇気と決意が輝く物語です。
『十二人兄弟』とも似ていて、勇敢な女の子の冒険ストーリーになっています。
太陽や月、ガラスの山といった幻想的な要素が広がり、まるでRPGのような世界観で物語がくり広げられます。
兄たちを助ける旅ではありますが、女の子の自分探しのようにも読み取れますね。
中には厳しい試練もありながら、妹は決して諦めず、知恵と行動力で困難を乗り越えていく姿が描かれています。
この物語の教訓としては、「大切な人のために行動する勇気」と「困難に負けず立ち向かう強さ」が得られそうです。
妹の一途な想いが、家族を救い、再び幸せな日々を取り戻すという希望の物語。
どのようにして、試練を乗り越えていくかにぜひ注目してみてください!
そして、よくよく読んでみると、けっこう残酷で怖い場面も描かれています……。
『七羽のからす』の基本データ
収録ナンバー
KHM025
原作タイトル(ドイツ語)
Die sieben Raben
英語タイトル
The Seven Ravens
日本語の別タイトル
- 「7羽のカラス」
など
収録版
グリム童話初版には、第1巻25番に『三羽のからす』というタイトルで収録されていた
その後、2版から7版まで
『七羽のからす』の関連コンテンツ
本当は怖いグリム童話
- 本記事はグリム童話集第7版『七羽のからす』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
※リンクをクリックすると外部サイト(Amazonなど)に移動します。