グリム童話『三枚の蛇の葉』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『三枚の蛇の葉』のあらすじ
ある青年が王女と結婚するが、王女は「自分が死んだら生きたまま墓に入る」という奇妙な約束を要求する。
やがて王女が亡くなり、青年は約束通り生き埋めになる決意をする。
しかし、蛇の葉を使って王女を復活させることに成功する。
その後、航海に出た二人だが、王女は船のキャプテンと恋に落ち、青年を海に突き落としてしまう。
青年は使用人の助けで再び蛇の葉によって命を取り戻し、裏切りの真相が王さまに伝えられる……。
『三枚の蛇の葉』の教訓・感想など一言コメント
蛇の葉って何だろうと想像をかきたてる不思議なタイトルですが、フタを開けてみれば男を手玉に取る怖い女の話です。
蛇の葉という不思議なアイテムが物語の鍵となる一方で、王女の裏切りとその結末が強く印象に残ります。
古代から蛇は「命」「再生」「復活」の象徴として捉えられてきました。
ここで登場する葉も、文字通り命を救い、失われたものを取り戻す力を持つ神秘的な存在です。
しかし、それに対して王女の行動は「信頼を裏切る者への罰」というシンボルを際立たせています。
「不倫はよくない」という単純なメッセージにも見えますが、「人との約束や信頼を軽んじれば、必ず報いを受ける」ということも読み取れますね。
青年は約束を守ろうとし、命を救われ、最後には真実が報われます。
一方で王女は、他人を裏切った代償としてすべてを失ってしまうわけです。
真面目さや忠誠心が報われる一方で、自己中心的な行動には罰がくだる……そんな昔ながらの教訓を改めて感じさせるお話です。
『三枚の蛇の葉』の基本データ
収録ナンバー
KHM016
原作タイトル(ドイツ語)
Die drei Schlangenblätter
英語タイトル
The Three Snake-Leaves
日本語の別タイトル
- 「3枚のヘビの葉」
- 「三まいのへびの葉」
など
収録版
2版から7版まで
『三枚の蛇の葉』の関連コンテンツ
本当は怖いグリム童話
- 本記事はグリム童話集第7版『三枚の蛇の葉』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
※リンクをクリックすると外部サイト(Amazonなど)に移動します。