『十二人兄弟』のあらすじなど (KHM009)

グリム童話『十二人兄弟』のあらすじや、関連情報などを詳しく紹介します。

 

『十二人兄弟』のあらすじ

王さまとお妃さまには12人の子どもがいて、みんな男の子だった。

そこで王さまは、「今度生まれてくる13番目の子が女の子なら、12人の男の子を殺してしまい、財産を女の子にすべて与えよう」と言い出した。

王さまは12の棺を作り、それらをカギのかかった部屋に運ばせた。

 

お妃さまはこのことを悲しんでいた。

それを見ていた末っ子のベンヤミンは、事情を聞いてしまう。

お妃さまはベンヤミンに逃げるよう伝え、12人の兄弟は森へと逃げ込む。

代わりばんこで見張りをし、次に生まれた子が男か女か、城にのぼった旗の色で見分けることになっていた。

城には女の子が生まれたことを示す赤旗がのぼった。

そして、12人の兄弟はそのまま森で暮らすことを余儀なくされた。

 

時がたち、13番目に生まれた女の子が12人の兄弟の事情を知ってしまう。

女の子は兄たちを探す決意をし、森の中へと入っていった。

森の中で、女の子はベンヤミンと遭遇し、持ってきた12枚の兄の下着を見せた。

ベンヤミンはそれで、女の子が妹だとわかる。

それからほかの兄弟たちとも会い、みんな仲良く暮らし始めるのであった。

 

さて、魔法にかかったこの小さな家の庭には、12本のユリが咲いていた。

妹が兄たちにプレゼントしようとそれらを取ると、兄たちはカラスに変身し、飛んでいってしまった。

妹は、そばに立っていたおばあさんから、兄たちを救う手立てを聞く。

それは、7年間決して口をきいてはいけないというものだった。

 

妹の決心は強く、それから一言も話さず、笑わずに過ごした。

あるとき、一人の王さまが通りかかり、この妹に恋をした。

王さまは妹を国に連れてかえって花嫁にするが、この花嫁は話しも笑いもしない。

そのことが王さまのまま母は気に入らず、花嫁を火あぶりにすることにしてしまった。

 

ちょうど花嫁が火あぶりになる瞬間、7年間が過ぎて、12羽のカラスがやってきた。

カラスは無事12人の兄弟に戻り、花嫁は口がきけるようになって、王さまとともに仲良く暮らすのだった。

悪いまま母は裁判にかけられて、ヘビの入った樽の中で死んでしまった。

『十二人兄弟』の感想・一言コメント

王様は、13人目の子どもが女の子だったら、残り12人の兄弟をみんな始末しようとする。

けっこう残酷な話である。

遺産相続の問題も見え隠れする、現実的な童話でもある。

 

だが、13人目の女の子がやさしかったおかげで、12人の兄弟は生き延びることになる。

魔法でカラスにされてしまうが、それも女の子が助ける。

7年間も口をきかないというのは、なかなかにしんどいだろう。

 

そのくらい我慢強く、兄弟を救おうとする意志がすごい。

そんな、女の子の勇気が見てとてる童話。

王子様に救われるだけでなく、逆に男を助ける強くて勇ましいお姫様だ。

 

あと、魔法が好きな人にとっては、ユリの花の魔法もおもしろいポイントだろう。

女の子が花を取ったら兄弟がカラスになり、その魔法を解くのに7年間しゃべらないようにする。

あまり想像つかないような設定の魔法である。

『十二人兄弟』の基本データ

収録ナンバー

KHM009

原作タイトル(ドイツ語)

Die zwölf Brüder

英語タイトル

The Twelve Brothers

日本語の別タイトル

  • 「12人の兄弟」

など

収録版

初版から7版までずっと

『十二人兄弟』の本




『初版グリム童話集1』/ 訳:吉原高志、吉原素子 / 白水ブックス

『十二人兄弟』として、9番目に収録されているグリム童話集の初版。初版のバージョンはどんなだったか、気になる方はぜひ読んでいただきたい。




『完訳 グリム童話集 1』/ 訳:金田鬼一 / 岩波書店

『十二人兄弟』収録のグリム童話集。こちらは、しっかりした解説付きの金田鬼一訳。本格的な昔の訳を楽しみたい方にオススメ。

 

『完訳 グリム童話集 1』/ 訳:高橋健二 / 小学館

『十二人兄弟』収録のグリム童話集。こちらは挿絵付きの高橋健二訳。気軽に楽しみたい方にオススメ。

 

 

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