グリム童話『十二人兄弟』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『十二人兄弟』のあらすじ
王さまとお妃さまには12人の男の子がいたが、次に生まれる子が女の子なら、12人の兄を犠牲にするという恐ろしい決定がなされる。
お妃さまはこれを知り、12人の息子たちを森へ逃がした。
やがて、13番目の子どもとして女の子が生まれる。
その女の子は、自分に兄がいることを知り、森の中で兄たちを探し出す。
兄たちと再会し、しばらくの間、平和に暮らし始める。
しかし、魔法にかかった家の庭でユリを摘んだことで、兄たちは鳥の姿に変えられてしまう。
妹は兄たちを救うため、長い年月、決して話したり笑ったりしないという試練を引き受ける。
その後、妹の努力が実を結び、兄たちは元の姿に戻り……。
『十二人兄弟』の教訓・感想など一言コメント
このお話、かなり残酷な設定から始まりますが、女の子の優しさと勇気に救われる物語です。
兄たちを犠牲にしようとするお父さんの冷たさにはびっくりですが、そこに家族の葛藤や遺産相続みたいな現実的な問題がありそうです……。
そして、ユリの花を摘んだら兄が鳥にされるとか、魔法を解くために何年間もしゃべっちゃダメとか、なかなかしんどい!
不思議な設定でもあって、魔法好きにはたまらない世界観ですね。
この女の子は、ただ王子様に救われるだけの典型的なプリンセス像とは違います。
むしろ、兄たちを助けるために自ら行動する勇ましい姿が描かれており、現代の「強い女性」のイメージとも重なりますね。
自分で道を切り開き、周りの人を救う力強さに勇気をもらえるお話です。
この物語が伝えるのは、家族を思う気持ちや困難に立ち向かう強さの大切さといったところでしょうか。
兄たちを救うために自ら犠牲を払い、試練を乗り越える姿は、誰かを大切に思う心が持つ力の強さを教えてくれます。
どんなに困難な状況でも、信念を持って行動すれば、それが周囲を動かし、幸せにつながっていく。
そんな教訓が込められているように感じられます。
『十二人兄弟』の基本データ
収録ナンバー
KHM009
原作タイトル(ドイツ語)
Die zwölf Brüder
英語タイトル
The Twelve Brothers
日本語の別タイトル
- 「12人の兄弟」
など
収録版
初版から7版まで
- 本記事はグリム童話集第7版『十二人兄弟』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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