『奇妙な音楽家』のあらすじなど (KHM008)

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奇妙な音楽家

グリム童話『奇妙な音楽家』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。

結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

目次

『奇妙な音楽家』のあらすじ

森の中を歩いていた奇妙な音楽家は、退屈しのぎにバイオリンを弾き始める。

その音色に誘われてオオカミが現れ、「バイオリンを教えてほしい」と頼むが、音楽家は仲間にしたくない。

代わりにオオカミに命令を与え、木の空洞に足を入れさせたうえで動けないようにしてその場を去る。

再びバイオリンを弾くと、次はキツネが現れる。

キツネも同じように音楽家の命令を受け、木に縛り付けられて置き去りにされる。

さらに音楽家がバイオリンを奏でると、ウサギがやってきて同じ目に遭う。

しばらくしてオオカミが抜け出し、キツネやウサギと合流して音楽家に仕返しをしようとする。

そのとき、音楽家の音色に誘われて現れたのは、初めて出会う人間のきこりだった……。

『奇妙な音楽家』の教訓・感想など一言コメント

音楽をテーマにした、ちょっとユニークな童話です。

バイオリンを弾く音楽家に動物たちが次々と引き寄せられてくる展開は、どこか『ハーメルンの笛吹き男』を彷彿とさせますね。

ただ、この音楽家は、動物たちを仲間にするどころか、次々と見捨ててしまいます。

動物たちが怒り、仕返しをしようとするあたりは、ある意味リベンジものともいえる展開です。

けれども、最後にはそのリベンジも失敗に終わり、物語は不思議と平穏なエンディングを迎えます。

音楽の持つ力は、ただ音を奏でるだけでなく、人や動物の心を動かす魔力のようなものがあるのかもしれません。

グリム童話が書かれた19世紀には、今のように音楽を手軽に楽しむ手段はなく、生演奏が貴重なものでした。

そのため、音楽家は心の平穏を求める人々にとって特別な存在だったのでしょう。

この童話を通じて、音楽の魅力と、人を惹きつけるその魔法のような力を改めて感じさせられますね!

『奇妙な音楽家』の基本データ

収録ナンバー

KHM008

原作タイトル(ドイツ語)

Der wunderliche Spielmann

英語タイトル

The Wonderful Musician

日本語の別タイトル

  • 「きみょうな旅芸人」
  • 「不思議な楽士」
  • 「ふしぎなバイオリン弾き」

など

収録版

2版から7版まで

  • 本記事はグリム童話集第7版『奇妙な音楽家』をもとにした要約です。
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