『忠臣ヨハネス』のあらすじなど (KHM006)

グリム童話『忠臣ヨハネス』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。

結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

目次

『忠臣ヨハネス』のあらすじ

王様の忠臣であったヨハネスは、王が亡くなってから息子につかえるようになる。

王は息を引き取る直前、ヨハネスに「王子には城の中をすべて見せてやってくれ。ただし、長いろうかの先の最後の小部屋だけは見せてはいけない。黄金の屋根のお姫さまの絵がかくしてあるのだ。王子がそれを見たら、姫への激しい恋心を抱き、気絶してしまうだろう」と言い残した。

だがあるときヨハネスは、絶対見せてはいけないと言いつけられていた扉の中を、新しく王になった息子に見せてしまう。

そこには、父上だった王が生前いい残した通りに、美しい金の館の王女の肖像画があった。

若き王はたちまち王女に惚れてしまい、ヨハネスを連れて王女が実際に住む金の館へと出向いていった。

金の館に着くと、ヨハネスは商人のフリをして、お姫さまに近づいた。

たくさんの金を見せて姫を喜ばせ、船の中にはたくさんの金を持った主人が待っていると言い、姫を船へと連れていく。

若き王さまは本物の姫を見ると、その美しさにいっそう胸が張り裂けそうな想いになった。

王さまが姫を案内している間に、ヨハネスは船を出していた。

そのまま、姫は王さまとヨハネスに連れ去られた状態となった。

航海の最中に、ヨハネスは3話のカラスの声を聞いた。

ヨハネスは、カラスの話す言葉をわかっていた。

あるカラスは、ヨハネスたちが陸に着いたとき、馬が王さまめがけてやってきて、王さまを乗せて空へと舞い上がり、もう二度と姫とは会えなくなるだろうと言う。

助かる方法は、ほかのだれかが馬の手綱にかけてある鉄砲を取り出して、馬を撃ち殺すこと。

また別のカラスは、王さまと姫が城に入ると、そこに硫黄とタールでできた花婿用の服が置いてあり、王さまがそれを着ると骨の髄まで焼かれてしまうと言う。

助かる方法は、ほかのだれかが手袋をして、その服を火の中にほうりこんでしまうこと。

また別のカラスは、結婚式のダンスで姫が真っ青になって倒れると言う。

助かる方法は、ほかのだれかが右の乳房から血を3滴吸い取り、吐き出すこと。

もし、これらのことを王さまに知らせたら、知らせた者は石になってしまうと言われていた。

ヨハネスは、王さまにこれらの危険を知らせることなく、すべて自分がひそかに対処をする。

しかし、それを無礼な行動とみられてしまい、牢屋にぶちこまれ、死刑判決がくだされてしまう。

処刑台で、最後の最後に真実を王さまに伝えると、王さまから恩赦が与えられたが、ヨハネスは石になってしまった。

王さまは、嘆き悲しんだ。

それから時はたち、お妃となった姫は双子を生んだ。

石となったヨハネスは、ヨハネスを見てため息をつく王さまにこう伝えた。

「あなたがこの世で一番愛しているものをささげてくださるなら、私は生き返ります」

その言葉を聞き、王さまは自分の子どもたちの首をはねた。

ヨハネスには命が戻り、さらに子どもたちの首をくっつけて、傷口に子どもたち自身の血を塗ると、子どもたちも生き返った。

こうして、みんなが幸せに暮らした。

『忠臣ヨハネス』の教訓・感想など一言コメント

王に忠誠を誓う家臣の話。

ヨハネスの人間味と誠実さが、この話の最大の魅力でしょう。

ヨハネスは、亡くなった王の代わりに、その息子(次の王)にもつかえることに。

父親の言い残した言いつけを守るなど、父親代わり的な役割を果たしています。

しかし、誤って見せてしまった美しい王女の絵のせいで、若き王様は恋をしてしまいます。

その王女に近づくため、ヨハネスは商人のフリをするわけですが、やはりこういう点でもしっかりと王様の役に立っていますね。

バットマンと執事アルフレッドのような関係でしょうか。

そしてヨハネスは、危険な状況をすべて一人で対処します。

そのせいで、牢屋に入れられてしまうヨハネス。

最後に、真実を伝えて石像になるシーンは、なかなか感動的な場面ではないでしょうか。

有名な映画監督に、ぜひ本気で実写化してほしいような物語です。

最後には、石像になったヨハネスも生き返って、めでたしめでたし。

信じる人には、しっかりと忠義を尽くす。

そして、王様はそれに「真心」を持ってこたえる。

そんな人間の信頼関係が読み取れる童話です。

『忠臣ヨハネス』の基本データ

収録ナンバー

KHM006

原作タイトル(ドイツ語)

Der treue Johannes

英語タイトル

Faithful John

日本語の別タイトル

  • 「忠実なヨハネス」

など

収録版

2版から7版まで

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