『マリアの子ども』のあらすじなど (KHM003)

グリム童話『マリアの子ども』のあらすじや、関連情報などを詳しく紹介します。
目次
『マリアの子ども』のあらすじ
貧しい家庭に生まれた娘は、聖母マリアに引き取られて天国で幸せに暮らすようになる。
あるとき、旅に出る聖母マリアから13の扉の鍵を預けられ、12の扉までは開けてもよいが、13番目だけはいけないといわれる。
しかし、欲望に負けた女の子は、その禁じられた扉を開けてしまう。
聖母マリアが戻ってくると、女の子は「扉を開けなかった」と嘘をつく。
マリアは3回ほど尋ねるが、嘘はお見通しだった。
罪を認めなかった罰として、彼女は下界の荒野に追放される。
口がきけなくなり、みじめな生活を送る。
月日がたち、通りがかったある国の王さまに彼女は拾われ、結婚する。
子どもが生まれた彼女のもとへ聖母マリアが現れ、罪を認めないならば子どもを連れていくという。
だが、彼女は嘘をつき通し、2番目、3番目の子も同じように奪われてしまう。
周りはお妃が子どもを食べていると噂するようになり、お妃は火あぶりにされる。
最期の瞬間、後悔の念にかられてやっと自分の罪を告白すると、聖母マリアが現れてすべてが許されることとなった。
『マリアの子ども』の感想・一言コメント
嘘をついた末に待っている罰と、それを認めたら許しを得られるという道徳的な話である。
13番目は開けてはいけないという、不吉な数字が絡んでいるのもおもしろい。
あと、「人食い」だと勝手に勘違いされて、火あぶりにされるシーンはさりげなく残酷だ。
『マリアの子ども』の基本データ
収録ナンバー
KHM003
原作タイトル(ドイツ語)
Marienkind
英語タイトル
Mary’s Child
日本語の別タイトル
- 「マリアの子」
など
収録版
初版から7版までずっと
『マリアの子ども』の本
『初版グリム童話集1』/ 訳:吉原高志、吉原素子 / 白水ブックス ⇒試し読みする
『マリアの子』として、3番目に収録されているグリム童話集の初版。初版のバージョンはどんなだったか、気になる方はぜひ読んでいただきたい。
『完訳 グリム童話集 1』/ 訳:金田鬼一 / 岩波書店 ⇒試し読みする
『マリアの子ども』収録のグリム童話集。こちらは、しっかりした解説付きの金田鬼一訳。本格的な昔の訳を楽しみたい方にオススメ。
『完訳 グリム童話集 1』/ 訳:高橋健二 / 小学館 ⇒試し読みする
『マリアの子ども』収録のグリム童話集。こちらは挿絵付きの高橋健二訳。気軽に楽しみたい方にオススメ。