グリム童話『猫とねずみとお友だち』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
『猫とねずみとお友だち』のあらすじ
猫はねずみに一緒に暮らそうと持ちかける。
2人は冬に備えてヘット(牛脂)を買い、つぼごと教会に隠す。
ところが、猫は我慢できなくなり、「いとこから名づけ親になってほしいと頼まれた」と嘘を言って、ねずみに内緒でヘットをなめに行くようになる。
あぶらの多い皮の部分をなめて帰って来た猫に、ねずみはなんという名前をつけたのか尋ねる。
それに対し、猫は「カワナメ」だと答え、奇妙な名前だとねずみは不思議がる。
その後、またヘットがなめたくなった猫はねずみに同じ言い訳をして教会へと出かけ、今度は半分ほどたいらげて帰ってくる。
ねずみがなんという名前をつけたのかたずねると、猫は「ハンペロ」と答える。
さらにしばらくしてもう一度、猫は内緒で教会へ行き、ヘットを残さず全部なめてしまう。
今度は「ゼンペロ」という名前でねずみをあざむく。
冬になり、2人がヘットのところへ行くと、つぼの中身は空だった。
事の真相を知ったねずみは怒りをあらわにするが、その瞬間、猫に食べられてしまうのであった。
『猫とねずみとお友だち』の教訓・感想など一言コメント
猫とねずみのやり取りだけで話が進む動物寓話。
最初に話を持ちかけたのは猫で、そもそもねずみをだます気だったのかもしれません。
猫はねずみをだますために、生まれたと嘘をついた猫の色をこと細かに説明しているのもおもしろいところです。
だんだんと減っていくヘットの量を暗に示しているのでしょう。なかなかにあざとい猫です。
世の中、自分の利益のために徹底的にだまして、最後にはだました相手を食べてしまう…そんな悪いやつもいるんだよという教訓が感じられます。
『猫とねずみとお友だち』の基本データ
収録ナンバー
KHM002
原作タイトル(ドイツ語)
Katze und Maus in Gesellschaft
英語タイトル
Cat and Mouse in Partnership
日本語の別タイトル
- 「猫とねずみのとも暮らし」
など
収録版
初版から7版まで