賢いちびの仕立て屋の話(原題:Vom klugen Schneiderlein)
グリム童話、『賢いちびの仕立て屋の話』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかし、とても高慢な王女がおり、求婚者が来るとなぞを出して、解けないとあざけって追い返していた。
やがて、王女は自分の出したなぞを解いた者と結婚するというおふれを出し、ある3人の仕立て屋がそれに挑むことにした。
その中で一番年下の男は、ちびで役立たずだと他の2人に見下されていたが、そのちびの仕立て屋は自分の幸運を信じて、自信に満ちあふれていた。
王女は3人に、「わたしの頭には2種類の髪の毛があるが、それはどんな色か」とたずねる。
1人めは、「黒と白」と答えたがはずれ、2人めは「茶色と赤」と答えるがそれも正解ではなかった。
そこでちびの仕立て屋は「銀色と金色」と答えると、それは正解だったので王女はまっ青になり、もうひとつちびの仕立て屋に条件を出す。
それはとても凶暴な熊のもとで一晩過ごし、生きていられたら結婚するというものだった。
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ちびの仕立て屋は恐れずに熊のところへ行き、そこでくるみを割って食べたので、熊はそのくるみを欲しがった。
仕立て屋はかわりに石を渡し、熊はそれにだまされて石を割ることに必死になった。
やがて熊があきらめると、仕立て屋はバイオリンを弾きだしたので、熊が自分もバイオリンを弾きたいと言いだす。
仕立て屋は、爪を切ってやるといって熊に前足を出させ、そのとたんに前足をねじで止めて熊を動けなくさせてから横になって寝た。
次の日、王女はちびの仕立て屋が生きているのを見て、言いのがれができなくなり、仕立て屋と結婚することになった。
2人が馬車で教会へ向かっていると、ちびの仕立て屋をねたんでいたほかの2人の仕立て屋が熊を放してやったので、熊は怒って馬車を追いかけた。
すると仕立て屋が顔を出して、もう一度同じ目にあわせてやると熊をおどしたので、熊は恐ろしくなって引き返す。
こうして2人は結婚し、楽しく暮らした。