ハンスぼっちゃんはりねずみ(原題:Hans mein Igel)
グリム童話、『ハンスぼっちゃんはりねずみ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかしあるところに、子どもに恵まれないお百姓の夫婦がいて、あるときお百姓が「はりねずみでもいいから子どもがほしい」というと、おかみさんに上がはりねずみで下が人間の男の子が生まれる。
その子は「ハンスはりねずみ」と名づけられ、母親に近づくと針で刺してしまうので、ストーブのうしろで育てられた。
8年のあいだそのまま育ち、父親はその子にうんざりしていた。
ある日、父親が町の市にでかけるとき家族におみやげは何がいいかたずねると、ハンスはりねずみはバグパイプをお願いする。
父親がバグパイプを買ってきて渡すと、ハンスはりねずみはおんどりの足に金具を付けてもらうよう父親にたのみ、そのおんどりに乗って出ていったらもうここには戻らないという。
父親は喜んでいわれた通りにし、ハンスはりねずみはおんどりに乗って豚とロバを何頭か連れて森へ出ていった。
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ハンスはりねずみは森の中でおんどりに乗ったまま高い木の上にとどまり、何年も豚とロバの番をして暮らしながらバグパイプをふいた。
あるとき、どこかの王さまが森の中で迷っているとバグパイプの音を聞いて召使いに見にいかせる。
王さまはそれが変わった姿のけものだと知って、城へ戻る道をたずねると、ハンスはりねずみは、王さまが城に戻っていちばん最初にであうものをくれると約束したら道を教えるという。
王さまは、ハンスはりねずみは字が読めないと思って「約束のものはやらない」という証文を書いて道を教えてもらった。
王さまが城で最初にであったのは自分の娘だったが、うその証文を書いたといって娘を安心させる。
そのうち、森で迷った別の王さまがハンスはりねずみに帰り道をたずね、ハンスはりねずみは前の王さまに出したのと同じ条件を出す。
その王さまはしっかり約束を守るという証文を書いて、城への道を教えてもらった。
城で最初にであったのはやはり自分の娘で、王さまがハンスはりねずみとの約束について娘に話すと、娘は父親のためにその通りにすることを誓う。
ハンスはりねずみは自分が番をしていた豚の数がとても増えてしまったので、父親のもとへ戻って村の人たちに豚を好きなだけ殺していいという伝言をたのみにいく。
父親はいなくなったと思っていたハンスはりねずみが生きていてがっかりしたが、ハンスはりねずみは今度は二度と戻らないことを父親に告げておんどりに乗って出ていった。
そしてそのまま最初にであった王さまのもとへ行き、約束のものを引きわたさないと王女の命はないとおどした。
王さまはしかたなく娘を馬車に乗せて引きわたしたが、馬車の中でハンスはりねずみは娘の服を脱がせて針で刺して血だらけにした。
そして「約束を守らなかった代償だ」といってそのまま娘を城に追いかえす。
ハンスはりねずみは2度目にであった王さまの城へ行くと、王さまはハンスはりねずみを歓迎し、娘と結婚させた。
その夜、王女は針だらけのハンスはりねずみと寝ることを怖がったが、ハンスはりねずみは王女に何もしないと安心させる。
そして兵士を部屋の外に4人つけさせ、夜になって自分がはりねずみの皮を脱いだらそれを火の中に投げて燃やしてしまうようにお願いする。
兵士たちがその通りにすると、ハンスはりねずみの魔法がとけ、医者がハンスの体を洗うとたちまち美しい男の姿になった。
ハンスは王国を受けつぎ、何年かたったときに妻を連れて父親のところへ戻る。
ハンスは自分が息子であることをなんとかして父親に信じさせ、父親は息子に会えたことをよろこび、いっしょに息子の王国へ行った。