KHM107 『旅あるきの二人の職人』のあらすじ

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旅あるきの二人の職人(原題:Die beiden Wanderer)

 

グリム童話、『旅あるきの二人の職人』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

 

* * * * * * * *

 

あるとき、仕立て屋と靴屋がであい、仕事を探すため一緒に町に出ることになる。

靴屋は怒りっぽい性格で、仕立て屋はとても感じがよかったので、いつでも仕立て屋のほうが仕事をたくさんもらった。

仕立て屋は気前よく、食べものや手に入れたものはすべて靴屋と分けあった。

 

 

あるとき、王さまの都へ通じる森へ行きつくと、そこには道がふたつあった。

ひとつは2日、もうひとつは7日歩かねばならない道で、2人はどっちの道へいけばいいかわからなかった。

そこで靴屋は7日分のパンを持っていくことに決めたが、仕立て屋は先のことは神さまにまかせて2日分のパンを持って出かけた。

森はとても静まりかえっていて、靴屋は重い荷物を抱えて不機嫌だったが、仕立て屋はとても楽しそうに歩いた。

 

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しかし、3日がすぎても森は終わらず、仕立て屋はパンを食べつくしたのですきっ腹を抱えて歩かねばならなかった。

靴屋は仕立て屋にパンをひと切れもやろうとはしなかった。

5日めになり、ついに仕立て屋は立ちあがることができなくなってしまい、靴屋は、パンをひと切れやるかわりに仕立て屋の右目をえぐり出すという。

仕立て屋は命を長らえさせるため、仕方なく靴屋の条件を受けいれる。

7日めにふたたび仕立て屋は力つきて起き上がれなくなったので、靴屋はもう片方の目とひきかえにパンをやるという。

両目が見えなくなっては仕事ができなくなること、置きざりにされたらのたれ死んでしまうことを仕立て屋は靴屋にうったえるが、靴屋は仕立て屋の残った目をえぐり出してしまう。

そして、森を抜けたところにある首つり台へ連れていきそこに仕立て屋を横にならせ、自分だけ先へ進んでいった。

 

 

仕立て屋はそこで2人のぶらさがった罪人が、首つり台からたれるつゆで目を洗うとだれでも目が見えるようになると話しているのを聞く。

仕立て屋はハンカチにたれるつゆをしみこませて目のくぼみを洗うと、たちまち目がふたつくぼみを埋めた。

そして目の前の景色が今までどおり見えるようになったので、仕立て屋は神さまにお礼をいって、2人の罪人のために祈り、歩いていった。

仕立て屋はある子馬にであったので乗っていこうとするが、子馬は自分がまだ小さいので、しばらく自由にさせておいてもらえたらいつか恩返しをするという。

仕立て屋はいわれた通り子馬を逃がして先に進むが、お腹がとても空いていたので次に見つけたものを食べてしまおうと決めた。

 

 

まずは1羽のこうのとりにであったが、こうのとりは自分が神聖な鳥なので生かしておいてもらえればいつかお礼をするという。

仕立て屋はこうのとりに手を出さず、先へ行くと池のところにこがもが2、3羽泳いでいたのでその中の1羽をつかまえる。

そこに親がもがあらわれ、子どもたちを生かしておいてほしいとたのんだので、仕立て屋はいわれた通り子がもたちを逃がしてやった。

先へ行くと蜂の巣を見つけたので、ハチミツを食べて元気をつけようとすると、中から女王蜂があらわれる。

女王蜂は自分たちの巣を壊さずそのままにしておいてもらえたらいつかお礼をするというので、仕立て屋はいわれた通り何も手をつけずにまっすぐ進んだ。

 

 

やがで都に入り、料理屋でお腹を満たしたあとに町で仕事を探しにかかる。

仕立て屋は腕がよく、あっというまに仕事がたくさん舞いこんできて、しまいにはその評判を聞きつけた王さまがおかかえの仕立て屋に命じた。

同じ日にあの靴屋も王さまのおかかえになり、仕立て屋を追いだしてやろうとたくらんだ。

そこで靴屋は王さまに、仕立て屋がむかしなくなった金の冠を取りもどすと言っているとうそをついた。

王さまは仕立て屋にその通りできなければ都を出て行くようにいい、仕立て屋はしかたなく町を出ることにする。

仕立て屋は前に通りかかった池の前へ来ると、前に逃がしてやったかもたちがお礼に金の冠を池の底から拾ってきて仕立て屋に渡す。

仕立て屋はそれを王さまに渡すことができ、王さまはよろこんで仕立て屋に金のくさりをかけてやる。

 

 

つぎに靴屋は、仕立て屋が王さまのお城をそっくりまねてろうで模型を作るといっているとうそをついたので、王さまは仕立て屋にその通りにしないと地下牢に閉じこめると告げた。

仕立て屋はしかたなく旅立つと、今度は女王蜂と蜂たちがお礼にお城の模型をそっくりそのまま作りあげた。

王さまは大変よろこんで、ほうびに大きな石造りの家を仕立て屋にあたえる。

 

 

靴屋はあきらめず、仕立て屋が城の中庭に水晶のような水を人の高さほど立ちのぼらせるといっていると王さまに話した。

王さまは仕立て屋にその通りにできなければ首を切ると命じ、仕立て屋は旅に出ると、前に逃がしてやった子馬が成長した姿であらわれた。

そして馬は仕立て屋を乗せ、中庭をまわって水晶のような水を湧きださせた。

 

 

王さまはとてもよろこんだが、靴屋はあきらめず今度は仕立て屋が息子のいない王さまのもとへ男の子を運ぶといっているとうそをついた。

王さまは仕立て屋にそれができたら、自分のいちばん上の娘を妻としてあたえると約束する。

仕立て屋は旅立つと、前に逃がしたこうのとりが事情を知って、男の子をお后のところに届けた。

こうして仕立て屋は王さまの娘と結婚することになり、靴屋は仕立て屋のための靴を作らされたあと、都から出ていくよう言い渡される。

靴屋は首つり台のところで休むことにすると、からすが2羽とんできて靴屋の目を2つともつつき出した。

靴屋は気が狂ったように森へかけこみ、そのままのたれ死んだ。

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