知恵者のグレーテル(原題:Die kluge Gretel)
グリム童話、『知恵者のグレーテル』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかしあるところに、グレーテルという女の料理人がいて、いつもかかとの赤い靴をはいていた。
外を歩くと気分がよくなり、家にもどるとワインが飲みたくなり、ワインを飲むと今度は自分が作ったおいしいものをお腹いっぱい食べていた。
あるとき、家にお客が来ることになったので、だんながグレーテルにニワトリを2羽調理するようにといった。
グレーテルは鳥を締めて串刺しにして火にかけ、とてもおいしそうに焼いたが、お客がなかなか来なかったので、だんなはお客を連れてこようと出かけていった。
グレーテルは調理をしているとのどがかわき、だんなもいつ戻ってくるかわからなかったので、地下室へ行ってワインを飲んだ。
そして鳥のところに戻って焼け具合を確かめると、だんだんそれを今食べないとばちが当たる気がしてきたので、羽をひとつ食べ、もう片方の羽も食べないと様子がおかしく見えると思ったのでそれも食べた。
だんなが戻ってくる気配もなく、地下室でさらにワインを飲んだあと、手をつけた鳥を1羽まるごと食べてしまう。
それでもだんなは戻ってこないので、1羽食べたのでもう1羽食べてもいいと思い、ワインをさらに1杯やってから残った1羽の鳥も食べはじめる。
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おいしく食べているとだんなが戻ってきて、じきにお客がやってくるから急いで料理のしたくをするように、とグレーテルに言い、だんなは鳥を切る包丁を研ぎはじめた。
そこにお客が入り口の戸をたたいたので、グレーテルが出ていき、だんなはあなたを招待したかもしれないが、それはあなたの耳をふたつ切りとるためだ、と話す。
そしてさらに包丁を研ぐ音が聞こえるでしょ、とグレーテルが言うので、お客はその音を聞くと怖くなって逃げだしてしまう。
グレーテルは悲鳴をあげてだんなのところにもどり、お客は用意した鳥を2羽ともうばって逃げてしまった、と伝えた。
だんなはあわててお客を追いかけ、せめて1羽残しておいてくれたら自分の分が残るのに、と思ったので、包丁を手に持ったまま、ひとつだけでいい、といってお客を追いかけた。
しかしお客は、だんなが自分の耳はひとつだけ切りとればいいと言っているのだと勘違いしたので、さらに速い足で逃げだしてしまった。