グリム童話『マリアの子ども』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『マリアの子ども』のあらすじ
貧しい家庭に生まれた娘が、聖母マリアに引き取られ、天国で幸せに暮らすことになる。
ある日、旅に出る聖母マリアから13の扉の鍵を預けられるが、13番目の扉だけは開けてはいけないと言われる。
しかし、娘は好奇心に負けて禁じられた扉を開けてしまう。
戻ってきた聖母マリアに「扉を開けなかった」と嘘をつくが、真実は見抜かれていた。
娘は罪を認めなかった罰として下界に追放され、口がきけないまま荒野で孤独な生活を送ることになる。
その後、彼女はある国の王に拾われ、結婚してお妃となるが……。
『マリアの子ども』の教訓・感想など一言コメント
この物語は、嘘をつき続けた末に受ける罰と、罪を認めることで得られる救いを描いた、とても道徳的なお話です。
禁じられた13番目の扉を開けてしまうという設定には、どこか背徳感が漂い、「不吉な数字」としての13が絡んでいるのも興味深いポイントです。
娘が嘘をつき続けたことで、厳しい罰を受け、ついには「人食い」だと誤解されて火あぶりにされそうになるシーンは、想像以上にショッキング!
しかし、物語の中で彼女が最終的に罪を認め、すべてが許される瞬間には、どこか安心感を覚えます。
罪を隠し続けることの恐ろしさや、真実を受け入れることの大切さを教えてくれる物語ですね。
失敗をしても素直に認める勇気があれば、どんな困難も乗り越えられるのかもしれません。
『マリアの子ども』の基本データ
収録ナンバー
KHM003
原作タイトル(ドイツ語)
Marienkind
英語タイトル
- Mary’s Child
- Our Lady’s Child
日本語の別タイトル
- 「マリアの子」
など
収録版
初版から7版まで
- 本記事はグリム童話集第7版『マリアの子ども』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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