十二人の狩人(原題:Die zwölf Jäger)
グリム童話、『十二人の狩人』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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王さまの息子にはいいなずけがおり、その王子はいいなずけを心から愛していた。
ある日、王子はいいなずけのそばにいると、王さまが重い病にかかり王子に会いたがっている、という便りを受けとる。
王子はいいなずけに指輪をわたして、これで自分を思いだすように、そして王さまになったらかならずもどってくる、と伝えた。
しかし、王さまは息子に自分の望みどおりの人と結婚することを約束させ、死んでしまった。
息子は王さまになり、父親が選んだ王さまの娘と結婚しなくてはならなかった。
本当のいいなずけはこれを聞いて、悲しみの底に落ちた。
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父親は悲しんでいるその娘をみて、のぞみをかなえてあげようというと、娘は自分にそっくりの女の子が11人ほしい、という。
父親は手をつくして、国じゅうを探しまわり、娘にそっくりな女の子を11人見つけた。
すると、その本当のいいなずけの娘は猟師の服を12枚つくらせて、自分もいっしょにその服を着て、王さまの城に行った。
そして王さまに、自分たちを猟師として12人まとめてやとってくれませんか、というと、王さまはそのものたちが美しかったので、そのとおりにした。
王さまには秘密をなんでも知っているライオンが1頭いて、そのライオンは王さまに、あの猟師たちはじつは男ではない、とつたえた。
王さまはそれを信じなかったので、ライオンはためしにえんどう豆をまいてみるようにいう。
もし男ならしっかり踏みつけるが、女だったらひきずるように歩くので豆がころがる、とライオンはいったので、王さまはそれを試すことにする。
しかし猟師たちを気にいっていた家来がこっそり本当のいいなずけに王さまのたくらみを教えたので、11人の娘たちはえんどう豆をしっかり踏みつけた。
王さまはライオンに自分が正しかったと言いはるが、ライオンは、猟師たちは秘密を知っていたのだといい、今度は糸車を前に置くようにという。
娘たちは糸車をよろこぶが、男だったら見向きもしない、というので、王さまはそれを試すことにする。
ふたたび王さまのたくらみを知ったいいなずけは、娘たちに糸車のことを見るなと言いつけたので、王さまはもうライオンのことは信じなかった。
ある日、森で狩りをしていると、本物のいいなずけは、王さまが結婚しようとしている姫がやってくるということを聞いて、悲しみのあまり倒れてしまう。
王さまがかけよってきて猟師の手袋をはずすと、そこには自分のわたした指輪が光っていた。
それで、王さまはすべてを思いだし、自分と結婚するのはこの人しかいないと思い、結婚しようとしていた姫のことはことわった。
そして2人は結婚式をあげ、あのライオンはふたたび大事にされた。