三枚の鳥の羽(原題:Die drei Federn)
グリム童話、『三枚の鳥の羽』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかしあるところに王さまの3人の息子がいて、そのうちふたりはかしこかったが、末の弟はまがぬけていて、みんなにぬけ作と呼ばれていた。
王さまは年をとってきて、自分のあとつぎをなかなか選べずにいたので、3人の息子に、いちばんすばらしいじゅうたんを取ってきた者に王位をつがせることを約束した。
そしてけんかにならないよう、3枚の羽根を飛ばして、それぞれの飛んでいった方向にむかって旅をするようにいう。
1枚は東へ行き、もう1枚は西へ行ったが、最後の1枚はまっすぐ行ってすぐに地面に落ち、それをぬけ作が追うことになった。
ぬけ作は羽根の落ちた地面でしょんぼりしていたが、しばらくすると下につづく戸があることに気づく。
その下には階段があり、おりていくとそこには太ったヒキガエルがいたので、ぬけ作はすばらしいじゅうたんを探していると相談すると、若いカエルが箱を持ってきて、その中にはとてもすばらしいじゅうたんが入っていた。
兄たちは、ぬけ作が成功するはずはないと思っていたので、楽をするために道で出くわした羊飼いのおかみさんの肩かけをうばって持ってかえった。
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王さまはぬけ作の持ってきたじゅうたんがとても素晴らしいので、あとつぎに決めようとするが、兄たちは納得できずに文句をいった。
そこで王さまは、いちばんきれいな指輪を持ってきたものに王位をつがせると約束し、ふたたびそれぞれ羽根の飛ぶ方向に出かけることになった。
ぬけ作はやはり地面の下のヒキガエルのもとにいき、ヒキガエルはとてもきれいな指輪が入った小さい箱をぬけ作に渡す。
いっぽう兄たちは、またしてもぬけ作がうまくやるはずないと信じて、古い車の輪からくぎをぬいて、それを持ちかえった。
王さまはふたたび末の弟があとつぎだといったが、兄たちふたりはまだ文句をいい続けたので、しまいに王さまは、いちばんきれいな娘を連れてもどった者が次の王だということにした。
そこで、ぬけ作は太ったヒキガエルに相談すると、ヒキガエルはくりぬかれたにんじんをハツカネズミにひかせて、そこにカエルを1匹選んでのせるように、とぬけ作にいった。
そこでぬけ作は言われた通りにすると、のせたカエルはとてもきれいな娘になり、にんじんは馬車になり、ネズミは馬となった。
兄たちは楽をして、百姓の娘を連れてかえったので、王さまは弟を次の王とする、と決めると、兄たちは反対して、広間に輪をつるし、それをとびぬけた女の夫を王にしてください、と王さまにたのんだ。
兄たちは百姓の娘はじょうぶだからきっとうまくとびぬけられるだろう、と思っていたが、彼女たちはうまくとべず足を折ってしまう。
そして、ぬけ作の連れてきたきれいな娘は、鹿のように軽々と輪をとびこえたので、兄たちは反対できず、末の弟はこうして王になり、長いあいだかしこく国をおさめた。