グリム童話『小人の靴屋』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『小人の靴屋』のあらすじ
第1の話では、貧しい靴屋が夜中に現れるこびとたちの助けで裕福になり、感謝の贈り物をしてこびとたちと別れる。
第2の話では、こびとの赤ちゃんの洗礼に女中が招かれるが、彼女が3日間だと思っていた滞在が実は7年だったことに驚く。
第3の話では、母親の赤ん坊をこびとがさらい、代わりに鬼っ子を置くが……。
『小人の靴屋』の教訓・感想など一言コメント
じっくり読んでみると、実はじわじわと怖い童話。
この話、3つのエピソードが独立しつつも「こびと」が共通して登場するのが特徴的ですね!
第1の話は心温まるストーリーで、貧しい靴屋を救うこびとたちの親切さが印象的。
最後にこびとたちが自分たちの新しい服を着て去る場面には、何だか感慨深いものがあります。
第2の話では、時間感覚が異なるこびとの世界の不思議さが際立ちます。
楽しい時間を過ごせるけれど、戻ったら全てが変わっているというエピソードには少し切なさも感じますね。
第3の話は一転して不気味。鬼っ子を取り替える知恵を使う母親の奮闘は、ホラー映画を見ているような緊張感があります。
この話では、こびとたちが恐ろしい存在として描かれるので、同じ「こびと」でもこんなに違うのかと驚かされます!
全体を通して、「親切な者に感謝し、悪意ある者に対処する知恵を持つこと」が教訓として感じられる話ですね。
怖い部分と温かい部分が混ざり合った、不思議な魅力のある物語です!
『小人の靴屋』の基本データ
収録ナンバー
KHM039
原作タイトル(ドイツ語)
Die Wichtelmänner
英語タイトル
The Elves
日本語の別タイトル
- 「家にすむこびとたち」
- 「小人たち」
- 「まほうをつかう一寸法師」
など
収録版
初版から7版までずっと
『小人の靴屋』の関連コンテンツ
本当は怖いグリム童話
- 本記事はグリム童話集第7版『小人の靴屋』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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