グリム童話『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』のあらすじ
むかし1人の仕立て屋がおり、3人の息子と1頭のヤギと暮らしていた。
ヤギが「草を食べていない」と嘘をつき、息子たちは父に追い出されてしまう。
息子たちは各地で特別なアイテムを手に入れるが、宿屋の亭主に奪われる。
末の息子が魔法のこん棒で奪われた品を取り返し、家族のもとへ戻る。
アイテムで皆を幸せにし、家族は再び団結。
一方、嘘をついたヤギは……。
『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』の教訓・感想など一言コメント
なんとも長いタイトルのこの話。
「おぜんやご飯のしたく」と、「金貨を生む驢馬(ロバ)」と、「棍棒(こんぼう)袋から出ろ」で区切ります。
3つの特殊なアイテムがあって、それぞれの道具の説明をしているのです。
この話、ヤギの嘘から始まる波乱の展開が印象的ですね!
おぜん(テーブル)、ロバ、こん棒の3つのアイテムは、3人の息子が父親に追い出されたことで手に入れます。
追い出した父親が、最後には息子たちと幸せに暮らすのも面白い流れです。
でも、ヤギの嘘のせいで全てが始まったと思うと、ちょっと意外な視点ですよね。
ヤギは最後に罰を受けて逃げてしまうので、嘘をつくとどうなるかを象徴的に示しています。
それにしても、宿屋の亭主のずる賢さには驚きますが、それを見事に返り討ちにする末の息子の賢さが気持ちいいです!
全体的に、特別なアイテムを活用して困難を解決するという展開は昔話らしく、ワクワクしますね。
3兄弟の奮闘に加え、父親が息子たちに再会するシーンにはほっこり。
嘘や悪事の戒めと、努力や機転の必要さが伝わるお話です!
『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』の基本データ
収録ナンバー
KHM036
原作タイトル(ドイツ語)
“Tischchen deck dich, Goldesel und Knüppel aus dem Sack” also known as “Tischlein, deck dich!”
英語タイトル
The Magic Table, the Gold-Donkey, and the Club in the Sack
日本語の別タイトル
- 「テーブルよ、食事のしたくを、金を吐きだすロバ、こん棒よ、袋から出ろ」
- 「テーブルよ食卓の準備、金貨を出すろば、こん棒よ袋から出ろ」
など
収録版
初版から7版までずっと
- 本記事はグリム童話集第7版『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』をもとにした要約です。
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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